...」と得意らしく小鼻を揺(うご)めかしながら毬栗頭は褪(は)げチヨロケた黒木綿の紋付羽織をリウとしごいて無図(むづ)と座つた...
内田魯庵 「貧書生」
...汚(よご)れた莫大小(めりやす)のシャツ一つ着(き)た二十四五の毬栗頭(いがぐりあたま)の坊さんが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼の頭には願仁坊主(がんにんぼうず)に似た比田の毬栗頭(いがぐりあたま)が浮いたり沈んだりした...
夏目漱石 「道草」
...毬栗頭(いがぐりあたま)にきまっていると自分で勝手に極(き)めたのであるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...長六閣下の白い毬栗頭(どんぐりあたま)が見えている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...毬栗頭の事並に二九五カラットの事乙亥元旦午前四時二十分...
久生十蘭 「魔都」
...「王様は毬栗頭でもありませんし...
久生十蘭 「魔都」
...その男は年齢五十二三、身長は五尺七寸五六分、毬栗頭の、筋肉質の大男...
久生十蘭 「魔都」
...毬栗頭のようだったけど...
久生十蘭 「魔都」
...(犯人は毬栗頭の大男で...
久生十蘭 「魔都」
...ただ毬栗頭と総監の官服があっただけである...
久生十蘭 「魔都」
...毬栗頭の腕にキラキラ光るものを巻きつけていた人物...
久生十蘭 「魔都」
...君は向島を巡視したのが岩井で、有明荘へ現われたのが僕だと断定しているが、なぜそれを反対だと考えてはいけないのか」「その逆理(パラドックス)が成立しないわけは、あなたの犯行を目撃した確実な証人がいるからです」「可能的類似といったものだったのだね」「どうして、唯一の真実在でした」総監はまた癇癪を起しそうな顔になって、「君のいう証人というのは、有明荘の崖下に住んでいる花という娘のことだろうが、君の話では、その娘は犯人について、毬栗頭で、腕にキラキラ光るものを巻きつけていたとだけしかいっていない」真名古はユラリと一歩前に進み出て、「この真名古がそんな迂濶なことで軽々に犯人を断ずるようなことがありましょうか...
久生十蘭 「魔都」
...その突兀たる毬栗頭と...
久生十蘭 「魔都」
...毬栗頭というものの素質について...
久生十蘭 「魔都」
...毬栗頭の大公たちがわんさとゐたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...毬栗頭、先づニューグランドへ行き、中野式梯子で、ルパン、ロンシャン、ルーウエ、サロン春、ヒュッテと歩いて、赤坂寺田へ落ちつく...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いま映った影法師はたしか毬栗頭(いがぐりあたま)だったではありませんか...
山下利三郎 「流転」
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