...それから十年たち、十五年たって、やっとまたおばばに、めぐり会ってみれば――」今では全く、太郎と一つ畳にすわりこんだ老人は、ここまで話すと、次第に感情がたかぶって来たせいか、しばらくはただ、涙に頬(ほお)をぬらしながら、口ばかり動かして、黙っている...
芥川龍之介 「偸盗」
...そんなことをいっても仕方がないから黙っていると...
石川欣一 「比島投降記」
...相変らず黙っている...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...一座の人々はもう黙っているわけには行かなかった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...小雪は黙っている...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...あんなに言われたら黙っているよりほかに仕様がないじゃないの...
太宰治 「もの思う葦」
...まるで聞えなかったように黙っている...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...二人が黙っているだけに...
直木三十五 「南国太平記」
...そんな殊更な言葉を口にするよりも誰にも会わずに黙っている方がまだ心持が好かった...
夏目漱石 「道草」
...吉田さんは震えて沈黙っている...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...彼はただ黙っているばかりだった...
原民喜 「遥かな旅」
...頑固におし黙っている...
久生十蘭 「海豹島」
...どう返事をしたらよいかわからないので、黙っていると、「この、二枚目に書いてある、光丸(みつまる)という芸者に、あんた、惚れとるとじゃろ?」むきつけな言葉に、どぎまぎしたが、仕方なしに、「はあ」「光丸君の方も、あんたに、惚れとるじゃろ?」「……ええ」「真剣なのじゃな?」「はあ」「四枚目に、光丸君はもう妊娠しとると書いてあるが、あんたの子に相違なかろうな?」「相違ありません」「よろしい」原田雲井は、どすんと、机のうえを叩いた...
火野葦平 「花と龍」
...「どうしましょう? リザ・セミョンノヴナ」リザ・セミョンノヴナは黙っている...
「赤い貨車」
...黙っているのもいくらかいいらしい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私はそれには答えないで黙っていると...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...必要がなければ二日でも三日でも黙っているし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...」黙っているくせに...
横光利一 「旅愁」
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