...風韻(ふういん)のあるものになっています...
上村松園 「浮世絵画家の肉筆」
...如何(いかん)となればこれらの大欠点はかへつて素人画(しろうとえ)の妙味なる一種特別の風韻をなす所以(ゆえん)なればなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その山水は日本画としても西洋画としても共にその技巧の甚しく未熟なるにかかはらず何となく風韻に富み感情の洒脱なる所あるが故なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...嫌味がなくて風韻のあるのが良いので...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...全体の配置がこの風韻(ふういん)のどれほどかを伝えるならば...
夏目漱石 「草枕」
...長谷川君の書に一種の風韻(ふういん)のある事もその時始めて知った...
夏目漱石 「長谷川君と余」
...それは君に風韻の樂しみをあたへはするが...
萩原朔太郎 「詩に告別した室生犀星君へ」
...何処からともなく香気の朗らかな風韻がかほつて...
牧野信一 「小川の流れ」
...吐けば朗々として恰も混沌の無何有から山を越えて鳴り響く不死なるものゝ風韻が籠つてゐるかのやうであつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...星月夜の空に飛んだ流れ星のやうな風韻を含んでゐる...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...就中その風景描写に於いて読む者の胸に颯々重厚なる風韻を通はしめずには置かない稀なる感慨を誘はれるものであつた...
牧野信一 「浪曼的時評」
...もし此(かく)の如き題をものしてしかも多少の文学的風韻あらしめんとするは老熟の上の戯(たわむ)れなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...芭蕉の叙事形容に粗にして風韻に勝ちたるは...
正岡子規 「俳人蕪村」
...風韻の何ほどかはあつてもらひたい...
三好達治 「銀座街頭」
...ヤレ自然の美だ風韻(ふういん)だのと大層高尚(こうしょう)らしい事を唱える癖に今の文士は極(ご)く下品な卑しい忌味(いやみ)な文章を書きたがる...
村井弦斎 「食道楽」
...一味通じた底寂しい風韻枯寂の気がながれ合い...
室生犀星 「庭をつくる人」
...風韻とか雅致とか...
柳宗悦 「工藝の道」
...古版本に見られるあの古雅の風韻には私なき素朴があるではないか...
柳宗悦 「工藝の道」
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