...一霎時(いつせふじ)たりと雖(いへど)も...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...健は待つてましたと言はぬ許りに急に難しい顔をして、霎時(しばし)、眤(じつ)と校長の揉手(もみで)をしてゐるその手を見てゐた...
石川啄木 「足跡」
...較々(やや)霎時(しばし)して...
石川啄木 「葬列」
...智恵子は稍霎(しば)しその物憐れな室の中を見てゐたが...
石川啄木 「鳥影」
...――霎時(しばし)の間何の物音もしない...
石川啄木 「鳥影」
...霎時(しばし)は皆無言で足を運んだ...
石川啄木 「鳥影」
...霎時(しばし)は二人が立留つてゐるのも気付かぬ如くであつた...
石川啄木 「鳥影」
...』といふ考へが霎時(しばし)胸に乱れた...
石川啄木 「鳥影」
...彼は裏口から廻つて霎時(しばし)お利代と話した...
石川啄木 「鳥影」
...――霎時(しばし)の間何の物音もしない...
石川啄木 「鳥影」
...それよりは今霎時...
巌谷小波 「こがね丸」
...這奴(しゃつ)が命は今霎時(しばし)...
巌谷小波 「こがね丸」
...天色(てんしよく)霎(せふ/\)として日の光(ひかり)を看(み)ざる事連日(れんじつ)是雪の意(もよほし)也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...畢竟(ひっきょう)するにかの希望的の光輝に反映して霎時(しょうじ)に幻出したるものにして...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...然し一体それはどんな手紙でしょう」坂口は霎時していった...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...……何も彼もみんな私が悪かったのですよ」霎時してエリスは絶入るような低い声で云った...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...霎時コトコトと牀の上を歩いているような物音がしていたが...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...晩間霎雨(せふう)あり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
便利!手書き漢字入力検索