...全體を統一する大なる力の支配の下に立たずして、きれ/″\に、離れ離れに、唯動くが爲に動く生活の惶しさを思へ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...遂には離れ離れになる...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...私達は離れ離れであつたが幸ひにして徴用と兵役を免がれた...
木場貞 「來訪者のモデル」
...そしてその往来によってかれらがいなかったら離れ離れになったであろうような地方の村々町々をむすびつける...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...右と左の窓際へ離れ離れに席を取った...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...心が離れ離れになった今では...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...頭の中で離れ離れになってなんの連絡もなかったいろいろの場所がちょうど数珠(じゅず)の玉を糸に連ねるように...
寺田寅彦 「写生紀行」
...あれを離れ離れの心中だと見てしまう者が多いのですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...離れ離れの水臭い道行も...
中里介山 「大菩薩峠」
...親と子は離れ離れになった...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、その後は、鈴慕の音色が時あって、不意に起り来(きた)ることはあっても、それは一座会同の席の場合に、聞き合わせることは滅多になかったから、箇々に、離れ離れにこそ、あの音色を問題にしたり、多少の悩みを覚えたりしたことはあっても、「女殺し」といった、印象的批評が、共通して誰もの頭に残っていたわけではなく――なかには仏頂寺弥助の如く、ほとんど、身も世もあられぬほどに、あの音色を嫌いぬいたものもあるが、そのほかは概して、その遣(や)る瀬(せ)なき淋しさから、淋しさの次にあこがれの旅枕の夢をおい、やがて行き行きて、とどまるところを知らぬ、雲と水の行方(ゆくえ)と、夢のあこがれとが、もつれて、無限縹渺(むげんひょうびょう)の路に寄する恋――といったようなところに誘われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして何時の間にか離れ離れになった人間の心と心は...
夏目漱石 「道草」
...皆(みん)な離れ離れになって...
夏目漱石 「門」
...みなの心が離れ離れになっては...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...胸の蝶番が「言ッてしまおうか」「言難いナ」と離れ離れに成ッているから...
二葉亭四迷 「浮雲」
...」李一は三十一疋の白い魚がこの町で離れ離れになっているのを可哀そうに思い浮べました...
室生犀星 「不思議な魚」
...赤い振袖の女(おなご)が……胴中(どうなか)から……離れ離れに…ナ……なって……」「ゲッ……島田の振袖が……フフ振袖娘が……」「ハ……ハイ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...離れ離れになって……寝ておりまする...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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