...炭の 燃えさし 離れ離れ 床に その影 落してき...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...子音と母音とが離れ離れになり...
海野十三 「獏鸚」
...得意になってこういう少年を連れて歩いていると人が思やせんかと電車が有楽町へ着くまでなるべく少年と離れ離れになっていた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...小さい無人島に離れ離れに破船したかのように見えた...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...學校で教つたり書物を讀んだりして得た知識も矢張り離れ離れになり勝ちなものである...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...地平線の境には眞白な雲の列と緑色の白楊樹(はくやうじゆ)が二三本離れ離れに突立(つゝた)つて居るばかり...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...それとも離れ離れになっているものやら...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、その後は、鈴慕の音色が時あって、不意に起り来(きた)ることはあっても、それは一座会同の席の場合に、聞き合わせることは滅多になかったから、箇々に、離れ離れにこそ、あの音色を問題にしたり、多少の悩みを覚えたりしたことはあっても、「女殺し」といった、印象的批評が、共通して誰もの頭に残っていたわけではなく――なかには仏頂寺弥助の如く、ほとんど、身も世もあられぬほどに、あの音色を嫌いぬいたものもあるが、そのほかは概して、その遣(や)る瀬(せ)なき淋しさから、淋しさの次にあこがれの旅枕の夢をおい、やがて行き行きて、とどまるところを知らぬ、雲と水の行方(ゆくえ)と、夢のあこがれとが、もつれて、無限縹渺(むげんひょうびょう)の路に寄する恋――といったようなところに誘われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...即ち粉雪という言葉を単に結晶が個々離れ離れの状態で降るという意味に使っているのである...
中谷宇吉郎 「雪」
...それぎり離れ離れになった...
夏目漱石 「それから」
...二人離れ離れになっている方が...
夏目漱石 「明暗」
...二人は離れ離れにされてこゝから追放だよ」「正々堂々と結婚式をすればいゝぢやアないの?」「うん...
林芙美子 「ボルネオ ダイヤ」
...あちこちに一本ずつ離れ離れに立っている樺(かば)の木なんぞが...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...子供の身体(からだ)自身は着物と離れ離れにして背中から後ろのほうへ寄っているようなことは小さい子の常であるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...たちまち四五間七八間と離れ離れになッて採り始めた...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...そうすると今度は男たちの靴の音が離れ離れになって...
夢野久作 「支那米の袋」
...離れ離れに山積して在った...
夢野久作 「戦場」
...離れ離れになっておりました者で...
夢野久作 「暗黒公使」
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