...樣々の感情が即いたり離れたり調和したり反照したりしながら複雜な和聲(ハアモニー)を拵へて行く文藝でなければ物足りない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...余は先人及び今人と一致することを恥ぢずして寧ろ内的必然を離れたる珍説を恥とする...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...密(そっ)と離れた処(ところ)から突ッ込んで...
泉鏡花 「海の使者」
...四尺離れたる所に落ちてありしを見いだしたり...
井上円了 「おばけの正体」
...吾々は本船からはすっかり離れた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...まちから半里も離れた松林の中に在つた...
太宰治 「思ひ出」
...よほど離れた草原に腰をおろし...
太宰治 「乞食学生」
...乳母が数分この子から離れたすきに...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「サセックスの吸血鬼」
...大地を離れた繁忙な事務の中に閉じ籠められ...
豊島与志雄 「悪夢」
...クリストフは強者独立者の名によって離れた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...扶持(ふち)を離れたといっても...
久生十蘭 「鈴木主水」
...それは町からやや離れた小さな落葉松の林の中にあつた...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...……離れた所を、貨物列車が、ゴーツゴーツと底深い響を立てて通つて行く)(幕)(一九三七年、三月中旬)...
三好十郎 「地熱」
...少し離れた処にある機場の仕事をするので...
山本周五郎 「風流太平記」
...その家の縁先から少し離れた所に坐っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...郷を離れたのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...善信はすこし離れた所に立って見惚(みと)れているのだ...
吉川英治 「親鸞」
...私から離れたくないと言ったのです...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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