...啓吉の誘惑に陥らなかつたのは勿論道念にも依つたのであらう...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...内面道徳の世界には何處にも二重道徳を一元的道念の上に置くの論理がない――5かう云つたら外面道徳の信者は云ふであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...同時に怪しくも彼女の道念を麻痺(まひ)させる力を持っているかと見えた...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...われわれは彼等の政治的道念の誤りを矯正してやるつもりで戦ったのです...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...善惡を別つの道念を具(そな)ふ...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...そのまんなかに道念坊の墓がある...
種田山頭火 「旅日記」
...死は人をして道念(どうねん)を警発せしむ...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...崇高なる道念を発せしめたるか...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...岩石なければ水は激せず、良心なく、道念なければ、人は罪の冒険、悪の楽しみを見出し得ず候...
永井荷風 「夜あるき」
...深く隠遁を好み道念をかくして...
中里介山 「法然行伝」
...成程(なるほど)是等(これら)の作物は第一義の道念に触れて居るかも知れぬ...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...――道念か...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...彼には何らの道念がなかつたからである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...道念というようなものは...
横光利一 「夜の靴」
...武藏の道念を高いとか低いとか...
吉川英治 「折々の記」
...音頭取りの縁台のまわりを道念唄(どうねんうた)にあわせ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...見よう見真似の道念踊りが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼はまだ道念の至らないこの若僧の悔(く)いに打ちのめされて慚愧(ざんき)している有様を見ると...
吉川英治 「親鸞」
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