...正門とは反対の側の高いコンクリート塀に通用門が開いていて...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...そして後に引返しながら劇場の通用門からあわてて出て行った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...葬儀の場合にはたとえ君侯といえども柩は表門から出すことは出来ず通用門から出すのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...春日邦之助が通用門から出て來て死骸を引ずつて餅の木坂の秋山家の門前に捨てた――と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...旗を押したてて通用門みたいなところに黒蟻(くろあり)のような職工の群が唸っていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...青いペンキ塗りの通用門が勢いよく群れた肩に押されると敏活なカメレオン達は職工達の血と油で色どられた清算簿をかかえて雪夜の狐のようにランチへ飛び乗って行ってしまう表情の歪んだ固い職工達の顔から怒りの涙がほとばしってプチプチ音をたてているではないか逃げたランチは投網(とあみ)のように拡がった巡警の船に横切られてしまうとさてもこの小さな島の群れた職工達と逃げたランチの間は只一筋の白い水煙に消されてしまう...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ド……ド……ド……青いペンキ塗りの通用門が群れた肩に押されると敏活なカメレオン達は職工達の血と油で色どられた清算簿をかゝえて雪夜の狐のようにヒョイヒョイランチへ飛び乗って行ってしまう...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...人の挨拶(あいさつ)は耳にも懸けず急歩(あしばや)に通用門の方へと行く...
二葉亭四迷 「浮雲」
...通用門から、ニコニコして包みを持つた信太郎来る...
三好十郎 「おスミの持参金」
...急用のお使だと云って通用門を出たと云うことである...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...すぐ向うは通用門...
吉川英治 「江戸三国志」
...厩舎(うまや)の通用門からはいるんだ」「名刺をください」「辰公に言えばわかる」トムは駈け出して島崎の家へ行った...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...吉良家の通用門の見える外濠の岸へ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そこから遠くない吉良家の通用門のほうへ歩いて行った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...通用門の袖(そで)から...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あたふたと通用門の潜(くぐ)りから飛びだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...数右衛門が通用門から出て行くと...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...女生徒専用の通用門だったのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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