...当日には近村からさえ見物が来たほど賑(にぎ)わった...
有島武郎 「カインの末裔」
...それも大抵は近村の百姓や小商人(こあきんど)許(ばか)りなのだが...
石川啄木 「鳥影」
...こじきとなって近村をふれ歩いた...
伊藤左千夫 「告げ人」
...二人(ふたり)の噂は再び近村界隈(かいわい)の話し草になったので...
伊藤左千夫 「春の潮」
...ささやかな呉服太物の包みを背負って近村を行商して歩いていた四十先きの女房の姿である...
犬田卯 「一老人」
...役者は皆其処の素人(しろうと)あるひは近村(きんそん)近駅(えき)よりも来るなり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...又筑后国(ちくごのくに)上妻(あがつま)郡の人用ありて夜中近村へ行に一ツの小川あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...一人残った腫れぼったい瞼(まぶた)をした末の息子を近村の人に頼み...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...近村の二本松を前景(ぜんけい)にして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...近村へ落雷十余箇処にも及び候事有之...
永井荷風 「榎物語」
...近村の古老を迎えての課外講話がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...近村の若い漁夫どもがそこへ集つて賭博を打つてゐる中大喧嘩を初めて...
正宗白鳥 「避病院」
...しかる内近村に久しく行商を営み...
南方熊楠 「十二支考」
...まず近村の壮丁や不遇な郷士が動かされた...
吉川英治 「三国志」
...近村の老若が一荷一荷かついで山地へ運び去ったという風聞も聞えて来た...
吉川英治 「私本太平記」
...翌(あく)る日はもう近村の男女が...
吉川英治 「新書太閤記」
...近村の庄屋寄合いへ...
吉川英治 「新書太閤記」
...この黄泥岡(こうでいこう)の近村に住む白日鼠(はくじつそ)の白勝(はくしょう)という遊び人なのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
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