...これすなわち同村の柏木某と称する柔術家にして、薄暮に至るまで貝を拾いて楽しみおりしが、夕刻に至り、近村の青年四、五名相伴いて来たり...
井上円了 「おばけの正体」
...次日(つぎのひ)は晴天(せいてん)なりければ近村(きんそん)の者四五人此所を通(とほ)りかゝりしに...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...夜になって蛙神が近村の人びとの夢にあらわれて...
田中貢太郎 「青蛙神」
...この男優達は皆な近村の若い農夫で...
徳田秋聲 「佗しい放浪の旅」
...ムロのおかみは近村(きんそん)の者である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...近村にはいろいろな病人が多いことでしょう...
豊島与志雄 「碑文」
...去年の春この二人がお針をして居るうちに近村の祭へ行きたくなつて...
長塚節 「十日間」
...二流の宿屋は近村の遊蕩客からそれぞれ「浮いた銭」を儲けることが習慣になっては...
中谷宇吉郎 「温泉1」
...近村の子供たちが「べとを見に」来るそうである...
中谷宇吉郎 「雪」
...その近村とどの宮は海よりトド上る故...
南方熊楠 「十二支考」
...役人を近村の料理屋へ連れ行き乱酔せしめ...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...此近村大手村、桂尾(けいび)山勝福寺といふ寺に文翰詞林三巻零本ありと鷦鷯春行(さゝきしゆんかう)かたりたり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...近村の里正(りせい)今泉氏(いまいずみうじ)の壻になって...
森鴎外 「渋江抽斎」
...または相手方の故障を言わぬ限りその近村で聞えた名字を名乗った...
柳田國男 「名字の話」
...あの辺の近村に真しやかに拡がった...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...五年前よりこの近村に住んで...
吉川英治 「三国志」
...かの臥龍岡(がりゅうこう)の旧宅をはじめ近村あまねく捜し求めたが...
吉川英治 「三国志」
...近村の庄屋寄合いへ...
吉川英治 「新書太閤記」
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