...黒川邸を辞することになった...
江戸川乱歩 「悪霊」
...且つ『従来議員は歳費を辞することを得ず』とあったのを『辞することを得』と修正いたしました...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...職を辞するくらいでは...
太宰治 「新ハムレット」
...辞することもできないので...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...左大臣家では此の浄蔵を懇請したので、浄蔵が行ってみると、既に時平の面上に死相が現れているので、もはや定業(じょうごう)は免れ難く、たといいかようの術を施しても萬死に一生を得ることはむずかしい旨を申したのであったが、病人も、附き添う家族の人々も、頻(しき)りに乞うて止まないので、辞するに由なく、兎(と)も角(かく)も加持祈祷に努めた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...侯或は自由党に入りて其の首領たるを辞するものに非じ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...女史も辞することなく達筆をふるいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...招ぜられて二人は、辞することなく、するすると座敷へ通って程よく並んだと見ると、もう案内の婆やの姿は掻(か)き消されてしまって、行燈(あんどん)の下に、しょんぼりと坐っている男女の姿のみを見るのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...辞する前、自分の紙入の中に有るものを出して、三千代に渡した...
夏目漱石 「それから」
...苺園を辞する前に...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...私共は辞するに際して...
正岡容 「山の手歳事記」
...春水自身も此の如く急に世を辞することをば期せなかつたらしい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「享和元年病に依て嗣を辞するの後瑞英と改む」と書してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...若し水路を行くことを辞するときは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...芸人があるいは人の誚(そしり)を辞することを得ざる所であろう...
森鴎外 「渋江抽斎」
...固辞するばかりだった...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の老妻は台所のほうで忙(せわ)しげに返辞する...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...私は湯漬(ゆづけ)を頂戴いたしたい」固辞すると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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