...私が固辞するので...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...誰が真面目に返辞するものか...
薄田泣菫 「茶話」
...現職を辞するのやむなきに立ち至ったという事件が新聞紙上を賑わした...
寺田寅彦 「ある探偵事件」
...「アメリカさ、太平洋の真ン中にあるよ」フーン、と私は返辞する...
徳永直 「こんにゃく売り」
...亦敢て黒田内閣の不幸を助くるの意思はなかりき故に黒田首相職を辞するや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...侯或は自由党に入りて其の首領たるを辞するものに非じ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...招ぜられて二人は、辞することなく、するすると座敷へ通って程よく並んだと見ると、もう案内の婆やの姿は掻(か)き消されてしまって、行燈(あんどん)の下に、しょんぼりと坐っている男女の姿のみを見るのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...法然はこれを固く辞退したけれども勅定が頻(しき)りに降って辞するに由なくその勤めを行うことになった...
中里介山 「法然行伝」
...敢(あえ)て作家の辞する所でない...
「予の描かんと欲する作品」
...雪嶺(せつれい)先生なども今頃お盃を廻されては「辞するほどの価値もない」とでも言はねばなるまじ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...あえて辞するものではありませんが...
三好十郎 「その人を知らず」
...「享和元年病に依て嗣を辞するの後瑞英と改む」と書してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...辞すべくして辞する...
森鴎外 「渋江抽斎」
...芸人があるいは人の誚(そしり)を辞することを得ざる所であろう...
森鴎外 「渋江抽斎」
...意地の悪い方法もあえて辞するには及ばない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...此(この)上は如何様(いかやう)の御(お)相手をも辞するもので無い」と言ひ切つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...すまして返辞するのだろうが...
吉川英治 「私本太平記」
...再三拝辞することの畏(おそ)れ多さに...
吉川英治 「源頼朝」
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