...やつとその人の家を辞することにした...
芥川龍之介 「ピアノ」
...そこそこに博士の家を辞するや否...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...その家を辞する頃は...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...歳費を辞する必要はないと思いますが」「いや...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...すなわち四月十三日「歳費を辞する届書」を懐にして衆議院へ俥を乗りつけ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...只管歳費を辞するの外他意なき次第に御座候」このことについて被害地の人々が...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...修業のためには甘(あま)んじて苛辣(からつ)な鞭撻(べんたつ)を受けよう怒罵(どば)も打擲(ちょうちゃく)も辞する所にあらずという覚悟(かくご)の上で来たのであったがそれでも長く堪(た)え忍(しの)んだ者は少く大抵は辛抱(しんぼう)出来ずにしまった素人(しろうと)などはひと月と続かなかった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...左大臣家では此の浄蔵を懇請したので、浄蔵が行ってみると、既に時平の面上に死相が現れているので、もはや定業(じょうごう)は免れ難く、たといいかようの術を施しても萬死に一生を得ることはむずかしい旨を申したのであったが、病人も、附き添う家族の人々も、頻(しき)りに乞うて止まないので、辞するに由なく、兎(と)も角(かく)も加持祈祷に努めた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...法然はこれを固く辞退したけれども勅定が頻(しき)りに降って辞するに由なくその勤めを行うことになった...
中里介山 「法然行伝」
...辞する前、自分の紙入の中に有るものを出して、三千代に渡した...
夏目漱石 「それから」
...到(いた)る所に職を辞するのは...
夏目漱石 「野分」
...たとえ神といえども爬羅(はら)摘抉するのを辞する筈はあるまいと見ているところ...
久生十蘭 「魔都」
...苺園を辞する前に...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...――道夫は捕手の任を辞すると云つた...
牧野信一 「喜びと悲しみの熱涙」
...若し水路を行くことを辞するときは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...寧(むしろ)地位を賭しても乗ることを辞するが好いと...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...年末を待って主筆を辞することを以てした...
森鴎外 「渋江抽斎」
...されどこの主義の下に奮闘するは辞するところでない...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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