...まだ若い身空を、この灰色の庵室に老い朽ちるに委せるなどとは、なんとしても忍びないことのように思われた...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...「可愛い女房が、若い身空で、しかも子供まで残して、死んでしまった...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...若い女の身空で誰の世話にもならず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...若い身空で、こう遅くまで一人で出て歩くと言うのは?」「もう帰って来ますよ」「こんなことは幾度もあるんですか」「いいえ、滅多(めった)にありはしませんよ...
田山花袋 「蒲団」
...若い身空(みそら)で...
壺井栄 「二十四の瞳」
...併しその理論が自分自身空間の性格を求めているということそのことをば自らの理論的内容とする場合と...
戸坂潤 「性格としての空間」
...若い身空を後家入りをした番頭のために...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところで文部省で最初先づ云はれたことは、「若い身空で、ナンだ、けしからん」といふのでありました...
中原中也 「我邦感傷主義寸感」
...出戻りの若い身空で多勢の配下を率い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...茅が崎は引潮時に蛙鳴きいかに都の恋しかりけん七瀬さんの良人即ち唯一人のお婿さんが茅が崎の別邸で若い身空で亡くなつた時之を悼んだ作であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...若い身空でこんな病院へ這入つて...
北條民雄 「盂蘭盆」
...「まだお若い身空ですのに...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...若い身空(みそら)を捨てさせ家政をさせて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...若い身空でありながら町の金融界に出没して巧みに詐欺を働いたり...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...殊に最後へ持つて來て「『父の業を繼いで保險業者になるか友人の盡力によつて文學者になるかそれは歸京の上でなければ分らず未だ未だ若い身空ですからね...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...呂布もどうせにわかに的(あて)もない身空なので...
吉川英治 「三国志」
...七宝(ほう)村(そん)と申す静かなところですが」「なんらのあてもない身空(みそら)...
吉川英治 「新・水滸伝」
...思わず私も手を出しかけたがつかまっている手を離せば忽ち私自身空樽同様とならねばならない...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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