...渠は痛くもならぬ中から顏を顰蹙(しか)めた...
石川啄木 「病院の窓」
...世間には往々職業というと賤視して顰蹙するものもあるが...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...何のぐらゐ眉を蹙めたかしれないのだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...黄色く、瘠せこけて、ぼろぼろの服装をした、顔を蹙めた、欲が深そうな、しかも自屈謙遜して平這(へたば)っている...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...と顔を蹙(しか)めて帰つて来た...
徳冨盧花 「水汲み」
...旧来の先生連は一同顰蹙していたけれども...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...沿道の民衆の間にはさすがに秘(ひそ)やかな嘆声(たんせい)と顰蹙(ひんしゅく)とが起る...
中島敦 「弟子」
...街道はこゝで一切のものを蹙めて山を穿つた洞門へ導く...
長塚節 「旅の日記」
...彼(かれ)は蹙(しが)めて居(ゐ)た顏(かほ)に少(すこ)し極(きま)りの惡相(わるさう)な一種(しゆ)の表情(へうじやう)を浮(うか)べた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は不快(ふくわい)な朝(あさ)を目(め)に蹙(しか)めた復(ま)たぽつさりと念佛寮(ねんぶつれう)へ窶(やつ)れた身(み)を運(はこ)んだ...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は凝視(みつ)めて餘計(よけい)に目(め)を蹙(しか)めつゝあるのであつた...
長塚節 「土」
...其(そ)の蹙(しか)めたやうな目(め)には不斷(ふだん)に何處(どこ)か軟(やはら)かな光(ひかり)を有(も)つて居(ゐ)るやうで...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は目(め)を蹙(しか)めた儘(まゝ)燐寸(マツチ)をとつて復(また)すつと擦(す)つて...
長塚節 「土」
...人身窮理の端を持ち出して顰蹙(ひんしゅく)して言わん...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...首の筋でも蹙(つま)ッたように...
二葉亭四迷 「浮雲」
...」蘭軒はこれを聞いて眉を蹙(しか)めた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...一同顔を蹙(しか)めて黙つてゐる...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...蹙(しか)んだ客の顔色も晴やかになったものだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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