...顔を蹙(しか)めて見てゐて...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「笑」
...階段(はしご)を降りる時は再(また)顔を顰蹙(しか)めて...
石川啄木 「病院の窓」
...常から放縦な恋愛を顰蹙(ひんしゅく)する自分は大杉のかなりに打明けた正直な告白に苦虫(にがむし)を潰(つぶ)さないまでも余り同感しなかったのを気拙(きまず)く思ったと見えて...
内田魯庵 「最後の大杉」
...我々は沼南夫人に顰蹙しながらも余りに耳を傾けなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...おなじ羽色の烏(からす)が数百羽集ると猥雑(わいざつ)に見えて来るので同類たがいに顰蹙(ひんしゅく)し合うに到る...
太宰治 「惜別」
...顰蹙(ひんしゅく)せられるのは承知の上で...
太宰治 「如是我聞」
...黄色く、瘠せこけて、ぼろぼろの服装をした、顔を蹙めた、欲が深そうな、しかも自屈謙遜して平這(へたば)っている...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...眉を蹙(しか)めて一心不乱の顔をしながら...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...ただ役人を顰蹙(ひんしゅく)させるのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕は身體がひどく小さく蹙められたやうで氣が疎くなつたやうで他の生徒の竊かに冷笑するのをやつと聞いたのであつた...
長塚節 「開業醫」
...勘次(かんじ)は睡眠(すゐみん)の不足(ふそく)から更(さら)に餘計(よけい)に不快(ふくわい)の目(め)を蹙(しか)めた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は不快(ふくわい)な朝(あさ)を目(め)に蹙(しか)めた復(ま)たぽつさりと念佛寮(ねんぶつれう)へ窶(やつ)れた身(み)を運(はこ)んだ...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)は凝視(みつ)めて餘計(よけい)に目(め)を蹙(しか)めつゝあるのであつた...
長塚節 「土」
...」蘭軒はこれを聞いて眉を蹙(しか)めた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」椿庭はこういって眉(まゆ)を蹙(しか)めた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...」始終にやにや笑っていた主人の大野が顔を蹙(しか)めた...
森鴎外 「独身」
...蹙(しか)んだ客の顔色も晴やかになったものだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それを彼の虚偽と顰蹙(ひんしゅく)するであろうほど...
吉川英治 「私本太平記」
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