...四邊なる男等の蹙(しか)みたる顏付を見るに及びては...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...隧道(トンネル)の前には山勢蹙(せ)まりて窮谷(きゅうこく)をなし...
大隈重信 「列強環視の中心に在る日本」
...いずれも顰蹙ものであった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...額を蹙(ひそ)め...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...実際的の境界いよいよ進んで想像の帝国いよいよ蹙(せばま)り...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...だから篠の梢を離れて高瀬舟の全形が見える頃は白帆は遙かに小さく蹙まつて居る...
長塚節 「寫生斷片」
...婆(ばあ)さんは腰(こし)をのして強(つよ)い西風(にしかぜ)によろける足(あし)を踏(ふみ)しめて「此(こ)れ干(ほ)して置(お)いて燃(も)すのさ」と穢(きたな)い白髮(しらが)と手拭(てぬぐひ)とを吹(ふ)かれながら目(め)を蹙(しか)めていつた...
長塚節 「土」
...おつぎは「おゝ痛(いて)えまあ」と顏(かほ)を蹙(しか)めて引(ひ)かれる儘(まゝ)に首(くび)を傾(かたぶ)けていつた...
長塚節 「土」
...カンテラの光(ひかり)の爲(ため)に却(かへつ)て眼界(がんかい)を狹(せば)められた商人(あきんど)は木陰(こかげ)の闇(やみ)から見(み)れば滑稽(こつけい)な程(ほど)絶(た)えず其(そ)の眼(め)を蹙(しか)めつゝ外(そと)の闇(やみ)を透(すか)して騷(さわ)がしい群集(ぐんしふ)を見(み)て居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...卯平(うへい)はおつたを見(み)て例(いつも)の如(ごと)く窪(くぼ)んだ茶色(ちやいろ)の目(め)を蹙(しが)める樣(やう)にした...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は睡眠(すゐみん)の不足(ふそく)から更(さら)に餘計(よけい)に不快(ふくわい)の目(め)を蹙(しか)めた...
長塚節 「土」
...彼等(かれら)の顏(かほ)はにこ/\としたり又(また)は暫(しばら)くどつぺを掴(つか)まぬものは難(むづ)かしくなつた目(め)を蹙(しが)めたり口(くち)をむぐ/\と動(うご)かしたりして自分(じぶん)は一向(かう)それを知(し)らないのであつた...
長塚節 「土」
...油(あぶら)が穢(きたな)くした火傷(やけど)を凝然(ぢつ)と見(み)て居(ゐ)ると自然(しぜん)に目(め)が蹙(しが)められて...
長塚節 「土」
...人身窮理の端を持ち出して顰蹙(ひんしゅく)して言わん...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...時々顔を蹙めて呟いだ...
牧野信一 「悪筆」
...人の嬉笑するを見ては顰蹙して避けた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」博士は眉を蹙めた...
森鴎外 「半日」
...それも世人の顰蹙(ひんしゅく)するなどという程度の制裁ではない...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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