...この醜い蹉跌は永く我等の生活を支配するだらう...
有島武郎 「運命と人」
...為レ人姿容秀美、風流無レ比、(中略)は長谷朝倉宮御宇天皇御世、嶼子独乗二小船一、汎出二海中一、為レ釣経二二日三夜一、不得二一魚一、乃得二五色亀一、心思二奇異一、置二于船中一、即寝忽為二婦人一、其容美麗更不レ可レ比、嶼子問曰、人宅遥遠、海底人乏、誰人忽来、女娘微笑封曰、風流之士、独汎二蒼海一、不レ勝二近談一、就二風雲来、嶼子復問曰、風雲何処来、女娘答曰、天上仙家之人也請君勿レ疑、垂二相談之愛一、爰嶼子知二神女一、慎懼疑レ心、女娘語曰、賤妾之意、共二天地一、畢、倶二日月一極、但君奈何早先許不之意、嶼子答曰、更無レ所レ言何解乎、女娘曰、君宣三廻レ棹赴二于蓬山一、嶼子従往、女娘教令レ眠レ目、即不意之間、至二海中博大之島一、其地如レ敷レ玉闕台映楼台玲瓏、目所レ不レ見、耳所レ不レ聞、(中略)于レ時嶼子、遣二旧俗一遊二仙都一、既経二三歳一、忽起二懐土之心一、独恋二二親一、故吟哀繁発、蹉嘆日盆、女娘問曰、比来観二君之貌一、異二於常時一、願聞二其志一、(中略)女娘取二玉手匣、授二嶼子一、謂曰、君終不レ遣二賤妾一、有二看尋一者、堅握レ匣慎莫二開見一、即相分乗レ船、仍教令レ眠目、忽到二本土筒川郷一、即膽二眺村里一、人物遷易、更無レ所レ由爰問二郷人一曰、水江浦嶼子之家人、今在二何処一、郷人答曰、君何処人問二旧遠人一乎、吾聞二古老等相伝一、曰、先世有二水江浦嶼子一、曰独遊二蒼海一、復不二還来一、今経二三百余歳一者、何忽問レ此乎、即啣二棄心一、雖レ廻二郷里一不レ会一親一、既送二旬日一、乃撫二玉匣一而感二思神女一、於是嶼子忘二前日期一、忽開二玉匣一、即未レ膽之間、芳蘭之体、率二于風雲一、翩二飛蒼天一、嶼子即乗二違期要、還知二復難一レ会廻レ首踟、咽涙徊、于レ斯拭レ涙歌曰、云々、神女遥飛二芳音一歌曰云々、以上は浦島説話の最古の源泉として、観察す可き者にして、かの『群書類従』に載せたる「浦島子伝」もしくは「続浦島子伝」の如きは、此等を元として、潤色して作為したる者なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...父の蹉跌(さてつ)前後から遠のいてゐて...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...壮志蹉(さた)行われずといえども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...蹉跌(さてつ)彼において何かあらん...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...最後の蹉跌(さてつ)を予見し...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...第一の蹉跌丸木のままの柱...
直木三十五 「南国太平記」
...こうした蹉跌(さてつ)が...
直木三十五 「南国太平記」
...宿昔青雲ノ志、蹉ス白髪ノ年、誰カ知ル明鏡裏、形影自ラ相憐ム〔宿昔(しゅくせき)青雲(せいうん)の志(こころざし)...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...蹉跌(さてつ)してしまった...
夏目漱石 「それから」
...幾度か失望し蹉跌(さてつ)して後...
野村胡堂 「楽聖物語」
...冷徹たぐいない真名古明を蹉跌させ...
久生十蘭 「魔都」
...行途(こうと)の蹉跌(さてつ)再三再四...
福田英子 「妾の半生涯」
...固より一回の蹉跌(さてつ)をもって冷却するものではなかった...
穂積陳重 「法窓夜話」
...蹉づくところまで反抗もしてみるがいい...
三好達治 「銀座街頭」
...努めて抑止していなければ大蹉跌(だいさてつ)を見まいものでもない...
吉川英治 「私本太平記」
...意外な蹉跌(さてつ)に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...この大蹉跌(だいさてつ)に...
吉川英治 「源頼朝」
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