...佐藤の妻は素跣(すはだし)のまま仁右衛門の背に罵詈(ばり)を浴せながら怒精(フューリー)のようについて来た...
有島武郎 「カインの末裔」
...矢張跣足(はだし)になり裾を遠慮深く捲つて...
石川啄木 「鳥影」
...美しい足袋跣足(たびはだし)で...
泉鏡花 「浮舟」
...すると女は跣(はだし)のまま簀子の上にあがって来た...
梅崎春生 「幻化」
...余と碧梧桐君とは言合わしたように跣足にならなかった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...フランチェスコ派の苦行僧のように跣足(はだし)に皮草鞋(サンダル)をはいて三十六時間もぶっ続けにペダルを踏んだものです...
谷譲次 「踊る地平線」
...その繪は美しい娘が髮を振亂し跣足で齒をくひしばつて立つてゐるのでどうにも私には合點がいかなかつた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...いいや、それが、武士の辛い道だ――然し、この女に、それが判るだろうか?)月丸は、そう思いながら、跣足のまま、苔のついた土の上へ降りて、草の中を、庵室の方へ歩み出した...
直木三十五 「南国太平記」
...跣足(はだし)のまま竹の床にごろ寝する必要もなければ...
中村地平 「霧の蕃社」
...跣足(はだし)のまま...
中村地平 「南方郵信」
...女の跣足の足跡などは一つも殘つては居りません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お玉が跣足(はだし)のまゝ飛出して見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...跣(はだし)で地べたを走り廻ったのか...
原民喜 「火の唇」
...跣足(はだし)に成(な)りて逃(に)げ出(だ)したき思(おも)ひなり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...足袋跣の仙二郎には私はとても敵はなかつた...
牧野信一 「鞭撻」
...生徒は大抵跣足(はだし)だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...大樹の蔭に淡黄色(たんくわうしよく)の僧堂と鬱金(うこん)の袈裟(けさ)を巻きつけた跣足(はだし)の僧...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...化けた孔明も跣足(はだし)になって逃げ出すだろう...
吉川英治 「三国志」
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