...「あの古煉瓦建(ふるれんがだて)のカフェ・ドラゴンだが今朝起きぬけに...
海野十三 「西湖の屍人」
...まず起きぬけに、電灯の笠をがちゃーんとやったのを手始めに、勝手元ではうがいのコップを割り、それから旦那様の部屋にいって灰皿を卓子(テーブル)のうえから取り落し(たことにして実は指先でちょいとついたのだった)、たちまち旦那様をベッドの上から下へ顛落(てんらく)させたのだった...
海野十三 「什器破壊業事件」
...起きぬけの庸三は顔の筋肉の硬(こわ)ばりが釈(と)れず...
徳田秋声 「仮装人物」
...起きぬけに田の水を見る辰(たつ)爺(じい)さんの眼に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...起きぬけに、夫婦して莚(むしろ)を畑にひろげ、枝豆や苺(いちご)や果樹に群がるカナブンを其上に振(ふる)い落して、石油の空鑵(あきかん)にぶちあけ、五時から八時過ぎまでかゝって、カナブンの約五升を擒(とりこ)にし、熱湯を浴(あび)せて殺した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「明日(あした)の朝起きぬけに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...朝はいちばん母の気分がいいので私は大抵起きぬけに寝巻のなりいって おはよう をいう...
中勘助 「母の死」
...考へると起きぬけをガラツ八に誘(さそ)ひ出されて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...起きぬけに道源寺坂を駈けくだり...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...今日も起きぬけに...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...起きぬけにけふこそ一つ仕事をしてやらうと思つて...
堀辰雄 「山日記 その一」
...起きぬけに汗ばんだ体どうせふくのだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...起きぬけにラジオきかなければならないのが辛くて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...朝は起きぬけにコーヒーを飲みパンを少しかじるだけで...
柳田国男 「母の手毬歌」
...別に起きぬけに簡単なる一回の間食をさせている...
柳田国男 「木綿以前の事」
...鉄壁一その朝の姫路の変を御着の城にあった官兵衛は起きぬけにすでに知った...
吉川英治 「黒田如水」
...「起きぬけから忌(いま)わしいことを聞かせおる...
吉川英治 「三国志」
...義経は、仮の兵舎に一夜をやすんだが、起きぬけに、ぎくとした...
吉川英治 「源頼朝」
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