...私は摩耶山に登り、帰り道、おりからのなぎに油を流したような神戸港をながめて考え込んだ...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...帰り道には新しい積雪ができていることもよくあって...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...その帰り道私は氏の誘うがままに連立ってその仮寓に行った...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...帰り道に一ぺん青空を見た方が後味がさっぱりとするし...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ある日出稽古(でげいこ)からの帰り道に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...写真機を肩にして世田ヶ谷の豪徳寺をたずねた帰り道...
永井荷風 「写況雑記」
...わたくしは山谷の裏町で女の古着を買った帰り道...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...自分は二人の帰り道に...
夏目漱石 「行人」
...帰り道に青木堂(あおきどう)も教わった...
夏目漱石 「三四郎」
...どうせ帰り道、相手は新造(しんぞう)ですから、賃銀(ちんぎん)なんかいいかげんに定(き)めて、駕籠の垂(たれ)を上げると、娘は小風呂敷包みを持ったまま、馴れた調子でポンと乗りましたが、わざわざ寒い川岸を通らせて此家(ここ)の裏口のあたりまで来ると、急に用事を思い出したから、ここで降ろしてくれ、と言うのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...兵二郎を殺した帰り道...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見捨てるように出た帰り道は...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...』『私のいない時に勘定をしていますが、折よく帰り道で、私の知っている保険会社の社員に会ったのですっかり話を聞きました...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...私はその帰り道、急に林の切れ目の芒の間から一人の土地の者らしくない身なりをした中年の女が出てきたのにばったりと出会った...
堀辰雄 「菜穂子」
...私はその帰り道、急に林の切れ目の芒の間から一人の土地の者らしくない身なりをした中年の女が出てきたのにばったりと出会った...
堀辰雄 「楡の家」
...我々はもう帰り道なのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...帰り道は知らないし...
夢野久作 「二重心臓」
...「戻りました」と、兵庫は答えて、「いつもの、氷川の社(やしろ)へ参詣に行って、その帰り道、彼方此方(あちこち)、駒にまかせて歩いて来たので、遅くなったのだと申しておりました」「そちが迎えに行ったのか」「そうです」「…………」宗矩は、それからまた、短檠(たんけい)に横顔を照らされたまま、しばらく口を緘(つぐ)んでいたが、「若い女子(おなご)を、いつまで邸に止めおくのも、何かにつけ、気がかりなものだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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