...余は汝を諦視し汝を理解せむと欲す...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...又其北岸城砦(じやうさい)の上一葉の地図を前にひらいて世界の色の看(み)す/\東方の桜光に染まり行くを諦視し...
石川啄木 「閑天地」
...急ぎに急ぐ予らもしばらくは諦視(ていし)せざるを得ない...
伊藤左千夫 「白菊」
...われらの服裝を諦視すること...
大町桂月 「房州の一夏」
...自己の生活そのものを諦視し内観し反省してそこから生活の指導精神を生み出す遑(いとま)がないのである...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...それには現在の生活を開展して来た過去の生活とその径路とを正しく諦視するを要するということである...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...しかれども吾人が理解と想像との域内にある一幅人類旅行の画図を諦視(ていし)すれば...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...人生の深き諦視の底の澄透れる無心にも似る...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...「持続ぶり」「終始ぶり」の諦視...
中原中也 「撫でられた象」
...とお京(きやう)は尺(ものさし)を杖(つゑ)に振返(ふりかへ)りて吉三(きちざう)が顏(かほ)を諦視(まも)りぬ...
樋口一葉 「わかれ道」
...諦視(ながめつめ)たら宵星(よいぼし)の一つ二つは鑿(ほじ)り出せそうな空合(そらあい)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...諦視すると細微な黒点を散布している...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...住(とど)まりてその面を諦視し...
南方熊楠 「十二支考」
...一種の諦視(ていし)しがたき理義の道に入りはじめたり...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...享楽が過ぎ行くものなることを諦視するところの道に立ったのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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