...諦め切つてゐました...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...宿料は到底払って貰えないものと諦めていたところであり...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...自分の許嫁の失踪(しっそう)には諦めがつかなかったのです...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...畝傍御陵・松老いて鴉啼くなり橿原神宮・この松の千代に八千代の芽吹いてみどり・みたらし噴く水のしづかなる声・旅もをはりの尿の赤く枯れきつてあたゝかな風ふくあすは雨らしい風が麦の穂の列ぽろり歯がぬけてくれて大阪の月あかりぬけた歯はそこら朝風に抜け捨てゝ一人もよろしい大和国原そこはかとなく若い人々のその中に私もまじり春の旅白船君からのたよりでは、大連の坂田君が十年ぶりに帰郷、三人相会して談笑することが出来なかつたのはまことに残念千万、ぢだんだふんで口惜しがつたけれど、諦める外ない、命があるならば、縁があるならば、また逢ふこともあらう...
種田山頭火 「旅日記」
...この節ではもう諦めて...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...」と諦めて、名残惜しげに門口まで見送ってきた友の心根が、しみじみと感ぜられてきた...
豊島与志雄 「小説中の女」
...然しまたすぐに諦めます...
豊島与志雄 「林檎」
...自分でも諦めて遠い縁家の留守番に頼まれることになつた...
中勘助 「銀の匙」
...いやしくも「差」あるならばそれは誇りか諦めかを意味する...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...殆んど未発の事実の如く確(たしか)だと諦めてゐたから...
夏目漱石 「それから」
...いかにも無造作で諦め切れない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ともあれ諦める事にきめましたが...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...諦め得なかった...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...かの人の諦めよさを讃め...
南方熊楠 「十二支考」
...死んだものと諦めるより他に...
夢野久作 「白髪小僧」
...無造作に今までの姓を書き代える婦人の諦めの良さに感服して...
横光利一 「旅愁」
...せめて母が諦めに帰ってくる唯一の方法か...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...それも、実子の孫とでもいうのなら、これ又、諦めもつこうが、母にとっては、義理の子の、しかも、ちょっと居ただけの嫁さんとの仲に出来た置き去り子に過ぎないのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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