...一人(ひとり)の旅の婦人に対して船の中の男の心がどういうふうに動いているかをその写真一枚が語り貌(がお)だった...
有島武郎 「或る女」
...帆村が語りだした脱出方法というのは...
海野十三 「宇宙戦隊」
...やがて思い切ったように語り出した...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...悪因縁(あくいんねん)の怨(うらみ)は今も仰々子(ぎょうぎょうし)が語り伝えている...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...重苦しい冬の海を見詰めながら語り始めた...
大阪圭吉 「カンカン虫殺人事件」
...胸にあふれる感慨を語り合ったことすらない...
大杉栄 「獄中消息」
...あだかも自分たちはこの問題の専売権をもっているかのように神を語り...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...今更ら返らぬ世の浮事(うきこと)を語り出でて何かせん...
高山樗牛 「瀧口入道」
...夫婦寝ざめにも此事を語り合い...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...今に至る迄村人達は語り伝えている...
中島敦 「南島譚」
...「どういふ御用向きかな?」ソオルはモルトナス島の慘劇をざつと語り聞かせてゼッテルベルグ老人の殺される前の行動を取り調べてゐる事情を説明すると...
南部修太郎 「死の接吻」
...人々はそんな風に語り合ひはしてゐたけれど...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...故人を忍ぶ相手として二人で語り合う身になっておればよかったのであるとも思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その絵を田辺侯爵に買わせたときの思出を遊部に語りながらも...
横光利一 「旅愁」
...同僚を斬った理由(わけ)を語り...
吉川英治 「鬼」
...「あんな非人情な者を、主人とするのはいやだが、御子がお帰りになったと聞いたので、戻って来たのだ」いい合わせたように、仲間同士で、語りあっている...
吉川英治 「平の将門」
...彼は普通の人のごとくに歩み、語り、食い、眠る...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
...孔子について語り孔子を伝えるに役立つ限りは取り入れられている...
和辻哲郎 「孔子」
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