...石楠花の枝をもらはなかつた記憶がないから...
安倍能成 「初旅の残像」
...其話は源助からも聞いた記憶がない...
石川啄木 「天鵞絨」
...さっぱり記憶がない...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...「新思潮」からは、私一人であつたか、外にも誰か行つたか、記憶がない...
谷崎潤一郎 「泉先生と私」
...それからどうなったのか何も記憶がないのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...どんな道具があったかはっきりした記憶がない...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...どんな芝居であったかほとんど記憶がないが...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...この木は郷里の家以外についぞどこでも見たという記憶がない...
寺田寅彦 「試験管」
...いつ加納副部長が出て来たか、いつ私が椅子から立ち上ったか、全く記憶がない...
外村繁 「落日の光景」
...わたくしにははっきりした記憶がないのです...
西尾正 「墓場」
...(ここは、一体、どこだろうか? 一体、あれから、どうなったんだろうか?)自宅で、子分たちと酒を飲んでいるうちに、視界朦朧となりはじめてから、まったく、記憶がない...
火野葦平 「花と龍」
...「御記憶がないの?」「なんにも...
火野葦平 「花と龍」
...娘と仲直りをしたかどうかも記憶がない...
牧野信一 「海棠の家」
...すなわち自分の所有物と言う記憶がないからといっても...
柳田國男 「地名の研究」
...それは紛れもなく「記憶がない」という意味を表明するものであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...私にはまったく記憶がない...
山本周五郎 「青べか物語」
...親の代から住みついているという「いも屋の惣(そう)さん」もはっきりした記憶がない...
山本周五郎 「季節のない街」
...――どう斬ったか、どうあの死地を脱したのか、それもきれぎれにしか、記憶がない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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