...おまけに眼もあやな衣裳(いしょう)を纏(まと)った綺羅子に比べれば気が楽でした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...一生着るだけの衣裳(いしょう)に事欠かないほどのものを持っていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...吾人はなほ画中人物の衣裳に紋処(もんどころ)なかりせば容易にその俳優の誰なるかを弁ずること能はざるべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...馬子は自分の衣裳を脱ぎ捨てて...
中里介山 「大菩薩峠」
...一通り衣裳をつけました...
中里介山 「大菩薩峠」
...衣裳を羽織つたまゝの姿で...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...これは宿下がりの御殿女中の荷物で「御殿の狂言の衣裳の上に坊主の髢(かつら)が載ってるんだ」とまた喜ぶ...
正岡容 「我が圓朝研究」
...また若い娘たちは明るい軽やかな衣裳で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...白い裳をふくらませて大股にゆく半島人の婆さんと車道を横ぎって...
「朝の風」
...付き添いの童女の衣裳(いしょう)などを日が近づくので用意させていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...天地(あめつち)に春新しく来たりけり光源氏のみむすめのため (晶子)源氏が十一歳の姫君の裳着(もぎ)の式をあげるために設けていたことは並み並みの仕度(したく)でなかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二人の衣裳持物は都(すべ)て香以の贈(おくりもの)で文左衛門の銀装(ぎんごしらえ)の脇差は香以の常に佩(お)びた物である...
森鴎外 「細木香以」
...花模様の縞のある衣裳を立派に著て出て来た...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...田楽役者の玉虫色に光る衣裳も...
吉川英治 「私本太平記」
...その迎えの衆が、散所屋敷から見えたんだよ」「へえ、私たちを」「たぶん、おまえ方の着がえだろうよ、衣裳箱やら、馬やら連れて」「と、とんでもない...
吉川英治 「私本太平記」
...内侍(ないし)ノ局(つぼね)の衣裳がごっそり失(な)くなっていたりする...
吉川英治 「私本太平記」
...「やっとお寝(よ)りになりましたね」ちょうど観世音の裳(もすそ)のあたりに...
吉川英治 「源頼朝」
...衣裳用の箱か何かが横倒しにされたのが...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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