...老主人はわたし達に旅裳束を着替へることも許さず...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...急いでそれを部屋の隅の衣裳戸棚の中へ抛(はふ)りこんだ...
芥川龍之介 「歯車」
...白茶色(しろちゃいろ)の衣裳(いしょう)をつけた一人(ひとり)の妖精(ようせい)が木蔭(こかげ)から歩(あゆ)み出(い)で...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...衣裳や髪かたちのせいもあって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...姉娘のさらさら言う衣裳や...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...ほかならぬあの婦人連の顔(かんばせ)や衣裳から発するのだと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...異った衣裳の夫々の思想が...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...その時、先生は、いつもの先生とは違って、すさまじい権幕をして、「どこへ行った、どこへ行った」と言って、衣裳棚の前で、てんてこ舞をしている先生の片手には、手拭かと思うと、そうではない、晒の切れを引きずっているが、その晒の切れは、ところどころ血の滲(にじ)んだ細い切れであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...その衣裳と面立(おもだ)ちとはどうしても釣合わないことが...
中里介山 「大菩薩峠」
...妾とてもまた衣裳や金の持参なくして...
福田英子 「妾の半生涯」
...シカシ人足(ひとあし)の留まるは衣裳附(いしょうづけ)よりは寧(むし)ろその態度で...
二葉亭四迷 「浮雲」
...変てこな衣裳でも...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...無趣味な灰色の衣裳を着ている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...後ろから裳(も)の裾(すそ)を引いてみた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...娘の子の裳(ジユツプ)も円く踊子の様に披(ひら)いたので無くて...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...濡れた袂(たもと)や裳(すそ)を乾かしていると...
吉川英治 「篝火の女」
...女優の衣裳箱の調べが済むまでにはずいぶん永い時間が掛かった...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
...――山の裳裾(もすそ)の広い原に麦は青々とのび菜の花は香る...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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