...而も内村氏の薫りは藝術的であり...
石川三四郎 「浪」
...一種異様な薫りが店の方へ流れ出した...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...フーッと薫り高い息を吐き出した...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...お白粉(しろい)の薫りと暖かい体温が...
谷崎潤一郎 「秘密」
...まことの光りまことの美狹霧に蔽はれとざされて暗にさまよふわがこゝろたのむは獨り君が歌紫蘭の薫り百合花の色爲めに咲かなん君が歌...
土井晩翠 「天地有情」
...冬はあしたのあけのいろ色無き空に色ありて雪の梢に梅薫り...
土井晩翠 「天地有情」
...過去の薫りの殘れるものありて...
永井荷風 「佛蘭西人の觀たる鴎外先生」
...入院以來これにて二度目なりうつゝなきねむり藥の利きごゝろ百合の薫りにつゝまれにけり六病牀にひとりつれ/″\を慰めむと...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...しっとりした、有機性の薫りだ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その白い濃厚な薫りのする胸に噛む如く接吻した...
長與善郎 「青銅の基督」
...かすかに細卷きのうすけむりがかすめた薫りが殘つてゐるやうな...
長谷川時雨 「春」
...香料の薫りが快く俺の官能をそそる...
平出修 「畜生道」
...半年振りで会うお久美さんの体の中には先にもまして熟れたリンゴの様な薫りが籠って居る様で...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...郷土的薫り、地方的彩り、このことこそは工芸に幾多の種を加へ、味はひを添へる、天然に従順なるものは、天然の愛を享ける...
柳宗悦 「雑器の美」
...藪の茂みから薫りを立てる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...特に「山村の人と四季」の一章の如きは、山村の風光ばかりでなく、草木の薫り、人間の動き、動物の呼吸さへも身近く感ずるほどの、細かな感知性を示してゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...香(かう)の薫りが流れ...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...青摺(あおずり)の打衣(うちぎぬ)を襲ねた裳(もすそ)からこぼれた得ならぬ薫りが...
吉川英治 「平の将門」
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