...其處(そこ)へ花籠(はなかご)から...
泉鏡太郎 「艶書」
...婦(おんな)ばかりの一群(ひとむれ)には花籠に熊蜂めくが...
泉鏡花 「婦系図」
...うつくしい大きな花籠(はなかご)があった...
海野十三 「爆薬の花籠」
...あやしい花籠は、どこにあるか?闇(やみ)の甲板(かんぱん)とつぜん、甲板の方で、どーんという大きな音がしたものだから、船客たちは、きっと、顔色をかえた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...あの花籠事件のことを忘れていておくれ...
海野十三 「爆薬の花籠」
...あの花籠だ! あれこそ爆薬入りの花籠ではなかったか? おそろしかった雷洋丸事件の当時のことが...
海野十三 「爆薬の花籠」
...一番見ごとな花籠が贈られた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...範画教材として描いた笹の墨絵を見ながら、入営(×月×日)のこと、文学のこと、花籠のこと等、漠然と考えはじめた...
太宰治 「新郎」
...「菜摘の里に花籠(はなかご)の水とて名水あり...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...裂(さ)き竹(だけ)を格子(かうし)の目(め)に編(あ)んでいゝ加減(かげん)の大(おほ)きさに成(な)るとぐるりと四方(はう)を一つに纏(まと)めて括(くゝ)つた花籠(はなかご)も二つ翳(かざ)された...
長塚節 「土」
...其(そ)の花籠(はなかご)は又(また)底(そこ)へ紙(かみ)を敷(し)いて死(し)んだものゝ年齡(とし)の數(かず)だけ小錢(こぜに)を入(い)れて...
長塚節 「土」
...床柱の花籠に申訳のように薊(あざみ)と刈萱(かるかや)を投げいれ...
久生十蘭 「ユモレスク」
...腕にかけた花籠の中の花を撒き散らしながら進み出た...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...或る朝、私は私の窓から彼女が絵具箱をぶらさげて、裏の坂を昇(のぼ)ってゆくのを見送った後、そのまんまぼんやり窓にもたれていると、しばらくしてからその同じ坂を、花籠を背負い、小さな帽子をかぶった男が、ぴょこんぴょこんと跳(は)ねるような恰好(かっこう)をして昇ってゆくのが認められた...
堀辰雄 「美しい村」
...あの花籠を買つて来る...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...リラやカーネイシヨンの花籠を抱へたピピヤスが...
牧野信一 「山彦の街」
...色が褪(さ)めて凋(しぼ)んだやうになつて見える造花(つくりはな)の花籠(はなかご)とが乗りかツてゐた...
三島霜川 「平民の娘」
...草心尼は、花籠を腕にかけ、高氏たちを見ると、遠くからホホ笑みかけていた...
吉川英治 「私本太平記」
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