...乃至情緒其物も始めて身に沁みる經驗となる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...肝胆を輸して思いここに到った至情が...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それも憂国の至情の発するところ...
太宰治 「惜別」
...これを欲するの至情に至りてはあえて天下人士ののちにあらざることを信ず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...慷慨(こうがい)にして愛国の至情に富む...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...閣下たとひ愛国の至情自ら禁ずる能はざるものあるも閣下の健康到底之れに堪へざるを奈何せんや...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...恋愛の至情はいふも更なり...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...死を生の一形態と見る幻覺に知的乃至情的滿足を貪る...
波多野精一 「時と永遠」
...人誰か愛國の至情なからんや...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...かえって人間の至情を害して世の交際を苦々(にがにが)しくするがごときは...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ある人云(いわ)く、父母の至情、誰(たれ)かその子の上達を好まざる者あらんや、その人物たらんを欲し、その学者たらんを願い、終(つい)に事実において然(しか)らざるは、父母のこれを欲せざるにあらず、他に千種万状の事情ありて、これに妨げらるればなり、故に子を教育するの一事については、只管(ひたすら)父母の無情を咎(とが)むべからずと...
福沢諭吉 「教育の事」
...天下の父母は必ずその子を愛してその上達を願うの至情あるべしといえども...
福沢諭吉 「教育の事」
...人にいわれぬ至情にして...
福沢諭吉 「教育の事」
...日本国民の身においてまさに然るべき至情なるべし...
福沢諭吉 「日本男子論」
...同時に自(みず)から省(かえり)みて聊(いささ)か不愉快(ふゆかい)を感ずるもまた人生の至情(しじょう)に免(まぬ)かるべからざるところなれば...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...いつも惘れながらも人間の至情というものの深さを...
室生犀星 「陶古の女人」
...もっと憂国の至情を吐露(とろ)なさい...
吉川英治 「三国志」
...鬱懐(うっかい)の至情を吐きつくすように――去るに忍びない面持(おももち)で夜空と寂土の万象を四顧しながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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