...そしていい加減なところで博士が自滅するように計画をたてたのです...
海野十三 「人間灰」
...彼は職業的に自滅するほかはないのだが...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...段々精力が衰へてとうと自滅するやうな運命になりました...
薄田泣菫 「茶話」
...むかしも、あんなことをやった奴があって、それは権勢慾、或いは人気とりの軽業に過ぎないのであって、言わせておいて黙っているうちに、自滅するものだ、太宰も、もうこれでおしまいか、忠告せざるべからず、と心配して下さる先輩もあるようであるが、しかも古来、負けるにきまっていると思われている所謂謀叛人が、必ずしも、こんどは、負けないところに民主革命の意義も存するのではあるまいか...
太宰治 「如是我聞」
...これからはすべて女性の力にすがらなければ世の中が自滅するだろうという事...
太宰治 「女神」
...私は自滅するより外なし...
種田山頭火 「其中日記」
...このまま自滅するのではないかと思われもしたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...その最も一般的な原理に従うとき完全に自滅する...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...ゲエテは自滅する他はなかつたらう...
堀辰雄 「手紙」
...商いの道で自滅する...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...昔ならば当然立退(たちの)くか自滅するよりほかはないような切迫した事態であった...
柳田国男 「海上の道」
...「娼家の主人たちも同様だ、女たちを扱う無情で冷酷なやりかたを見ると、捉(つか)まえて逆吊(さかづ)りにでもしてやりたいと思う、初めのうちはいつもそうだったし、いまでもしばしばそういう怒りにおそわれるが、よく注意してみると、かれらも貪欲だけでやっているとは限らない、やはり貧しさという点では、雇っている女たちに劣らないような例が少なくないことがわかる」去定はそこでちょっと口をつぐみ、こんどは自分を責めるような調子で続けた、「――世間からはみだし、世間から疎(うと)まれ嫌われ、憎まれたり軽侮されたりする者たちは、むしろ正直で気の弱い、善良ではあるが才知に欠けた人間が多い、これらがせっぱ詰まった状態にぶっつかると、自滅するか、是非の判断を失ってひどいことをする、かれらにはつねにせっぱ詰まる条件が付いてまわるし、その多くは自滅してしまうけれども、やけになって非道なことをする人間は、才知に欠けているだけにそのやりかたも桁外(けたはず)れになりがちだ、それは保本もずいぶん見て来たことだろう」この世から背徳や罪悪を無くすることはできないかもしれない...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...自滅する外はないのだ...
夢野久作 「鼻の表現」
...自滅するかのような敗亡を遂げてしまった...
吉川英治 「三国志」
...わが蜀は自滅するほかありません」と...
吉川英治 「三国志」
...居ながらにも自滅するように申したのは...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのついでに自滅する...
吉川英治 「親鸞」
...抛(ほ)っておいても自滅するものを...
吉川英治 「宮本武蔵」
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