...平太夫も近頃はめっきり老耄(おいぼ)れたと見えまして...
芥川龍之介 「邪宗門」
...同時に銀貨を引掴(ひっつか)んで「この老耄(おいぼれ)め」と口の中でぼやきながら立去った...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...あの図太い老耄(おいぼれ)奴(め)...
海野十三 「軍用鼠」
...老耄せしにも由るべけれど...
大町桂月 「赤城山」
...つまり自分がだんだん老耄(ろうもう)して来て頭が古くなり...
寺田寅彦 「二科展院展急行瞥見記」
...あの老耄(おいぼれ)にできるもんか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...――親父の源太郎は今こそ老耄(おいぼ)れた顔をしているが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いつも罵倒していた「老耄(おいぼ)れの繰り言」を...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...臨終の床に夢を見る老耄(おいぼ)れどもの乾枯(ひから)びた脳髄と同じくらいに衰耗しているのに違いない...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...静かに余世を送っている老耄れの女地主を脅やかすだのという...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...誰か自分より老耄(おいぼ)れた...
宮本百合子 「秋の反射」
...「尚々私も追々と老耄...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」「お前老耄(おいぼ)れたのだ...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...その婆(ばあ)さんがやがて老耄(ろうもう)をして...
柳田国男 「木綿以前の事」
...なにこれで朽ち果てるほど老耄(ろうもう)はしておらぬ...
山本周五郎 「新潮記」
...書くものだつて、元來、讀者の方が、自分を實質以上、買ひかぶつてゐてくれるに違ひないのだから、いつかへりみられなくなるかも知れないし、自分自身も、老耄の後には、どんな拙惡なものを示して、自分へあいそをつかすやうな日がないとも思はれない...
吉川英治 「折々の記」
...老耄(おいぼれ)」と...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...路に迷ったのは兎に角として蒲田や福地温泉の現状すら知らずにいた此老爺は或はもう老耄し果てているのではあるまいかと心中ひそかに不審と憤りとを覚えていたのであったが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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