...音が取留めもなく縺(もつ)れて...
石川啄木 「鳥影」
...北上川に縺(もつ)れて逶(うねうね)と北に走つた...
石川啄木 「天鵞絨」
...老樹が二本縺(もつ)れ合っている...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...この抑制されつつ縺れ合う擾乱が? 人が一つの事柄を苛酷なまでに明瞭に理解し...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...いやいや長い間の気の縺(もつ)れに今は精神が疲労しきっている...
近松秋江 「霜凍る宵」
...縺(もつ)れたる糸の片端(かたはし)も眼を着(ちゃく)すればただ一筋の末とあらわるるに過ぎぬ...
夏目漱石 「野分」
...縺(もつ)れ合って...
夏目漱石 「野分」
...文太郎 (捕縄の縺れにじりじりして)阿魔をずらかせようとて...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...張(は)りて見(み)たしと縺(もつ)れ舌(じた)に譫言(たはごと)の給(たま)ふちろ/\目(め)にも六花(りくくわ)の眺望(ながめ)に別(べつ)は無(な)けれど...
樋口一葉 「別れ霜」
...同じ頃の歌に 病む人ははかなかりけり縺れたる文字の外にはこし方もなし 木の間なる染井吉野の白ほどのはかなき命抱く春かな といふ様なのがある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...縺(もつ)れさせさえしなければ...
堀辰雄 「菜穂子」
...引毛の毛筋に縺れてブラ/\してゐるのです...
松本幸四郎 「大森彦七と名和長年」
...意地わるく言葉は縺れて...
水野仙子 「道」
...釣針がなにかに縺れて...
W・W・ジェイコブズ 森郁夫訳 「井戸」
...魏延の舞に縺(もつ)れて...
吉川英治 「三国志」
...わざと妓たちの扶(たす)けに縺(もつ)れているだけのものだった...
吉川英治 「私本太平記」
...縺れ合う建物群全体を覆う風化作用はぞっとする程で...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...既にこの縺れ合う太古の謎の中に侵入しているのにも拘らず...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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