...……生産業と種々の物産の交換地帯は相互に入り込み、互に縺れ合ひ、互に重なり合つてゐる...
石川三四郎 「社会的分業論」
...縺(もつれ)れるように巫山戯(ふざけ)ながら...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...ルミーさん」「明後日東京へ着きますねえ」ミョウゴニチと云うローゼマリーの発音が舌に縺(もつ)れるせいもあるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...』こんなことを言ひながら三人は縺れながら歩いた...
田山花袋 「歸國」
...糸が縺(もつ)れたように紛糾(こぐらか)っていた...
徳田秋声 「新世帯」
...縺れ合ふ鐘の余韻は...
永井荷風 「海洋の旅」
...かの紛々(ふんぷん)と縺(もつ)れ合う群衆の上に高く傑出して...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...縺れたり離れたり...
久生十蘭 「魔都」
...こまかに縺(もつ)れた蜘蛛(くも)の巣のようになって檐(のき)から垂れさがり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...詰らぬ行掛りの末縺(もつ)れて...
森鴎外 「そめちがへ」
...声が縺(もつ)れて慄えている...
矢田津世子 「反逆」
...私は重たくいやらしい肉親たちとの血肉の繋りや縺(もつ)れあいを...
山川方夫 「愛のごとく」
...あとは六人の躯が縺(もつ)れあい...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...縺(もつ)れ合ひ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...徒(いたず)らに縺(もつ)れ...
吉川英治 「黒田如水」
...そしてたちまちひと番(つが)いの闘鶏に似た二人が羽毛を散らすように縺(もつ)れ合い...
吉川英治 「私本太平記」
...黒い長い髪が縺(もつ)れてひらひらしてたんだぜ...
蘭郁二郎 「鉄路」
...のろり/\と大きな七五三繩(しめなわ)の繩片のやうな奴が縒(よ)れつ縺(もつ)れつ岩から岩の蔭を傳うて泳ぎります...
若山牧水 「樹木とその葉」
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