...沽ろうとした瞬間に美徳が美徳でなくなるという第一義的な真理を本能の如く知っているのは彼女だ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...本当に第一義的にこの人生と人間とに触れる...
田山録弥 「三月の創作」
...もつと第一義的国民性を確(しか)とつかんでゐる...
田山録弥 「真剣の強味」
...その構造の如何なる部分に如何なる移動が起ったかが第一義的の問題である...
寺田寅彦 「地震雑感」
...しかるに連句の場合にはこれが本質的な第一義的の主要素であってこれを取ってしまえば連句はなくなってしまうのである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...カントが厳密科学を第一義的な問題とした充分な理由が理解されずにはいないであろう...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...却って物体に於て第一義的に本来属する処の或るものでなければならない...
戸坂潤 「科学方法論」
...凡そ時間なるものが第一義的には歴史的時間などであってはならない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...吾々にとっては第一義的な問題でなくてはならなかったのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...ただ唯物論研究会の第一義的な仕事と銘打っては多少憚りありというので...
戸坂潤 「読書法」
...人間と人間とを結ぶ客観的な関係は第一義的に実在的ではあり得ないというのだったから...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...真の第一義的な仕事でなく...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...そしてかうした第一義的の貴重な創作を見ることは...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...第一義的な、根本的なものを缺いている限り、それはマルクス主義文學の作品としては低く評價されねばならぬであろう...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...どうしてこんなに気のはいらない――むずかしく言えば彼自身にとって第一義的にはほとんど意味の無い小説を書くのだろう? いや...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ほかの事は先ずさておいて、第一義的に、あなたの作品と人間からホントの影響を受けたいと思って来ているんですよ...
三好十郎 「好日」
...君達の芸術的意慾の第一義的な現われと見てよいのである...
三好十郎 「俳優への手紙」
...能のヨサを第一義的に自覚するには...
夢野久作 「能とは何か」
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