...沽ろうとした瞬間に美徳が美徳でなくなるという第一義的な真理を本能の如く知っているのは彼女だ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...その構造の如何なる部分に如何なる移動が起ったかが第一義的の問題である...
寺田寅彦 「地震雑感」
...そういう第二義的な弊が伴なうからと言って干支の使用が第一義的に不合理だという証拠にはならない...
寺田寅彦 「自由画稿」
...群衆乃至集団を本質から云って第一義的に心理的乃至精神的なものと仮定し...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...少くとも眼で見手で触れることの出来るもの――それが感性的なるものの第一義的特徴であると考えられる――は常に延長を有つ...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...かくて第一義的なものは概念ではなくて之から区別され対立させられた存在(自然)である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...というようなことに別に第一義的な興味があるのではない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...吾々にとっては第一義的な問題でなくてはならなかったのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...ただ唯物論研究会の第一義的な仕事と銘打っては多少憚りありというので...
戸坂潤 「読書法」
...人間と人間とを結ぶ客観的な関係は第一義的に実在的ではあり得ないというのだったから...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...芸術家としての第一義的の努力であらねばならぬ...
豊島与志雄 「小説の内容論」
...身體が來るべき完全なる永遠的存在に與かるか否かは第一義的重要性をもつ問題ではなくなる...
波多野精一 「時と永遠」
...探偵小説として第一義的なものに成功したことになる...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...どうしてこんなに気のはいらない――むずかしく言えば彼自身にとって第一義的にはほとんど意味の無い小説を書くのだろう? いや...
三好十郎 「恐怖の季節」
...芸術としての第一義的な興味と意義をあたえ得ないのも...
三好十郎 「恐怖の季節」
...私にとって第一義的に意味のあること...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...君達の芸術的意慾の第一義的な現われと見てよいのである...
三好十郎 「俳優への手紙」
...常に第一義的聖線に立ち得る資格について...
山本実彦 「十五年」
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