...その辺へ置いたはずのぼて笊を探しにかかった...
犬田卯 「米」
...笊(ざる)のなかへ木の青葉(あをば)をしき雪の冰(こほり)の塊(かたまり)をうる也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...その時盛子は男が今一方の手で平つたい笊を抱へてゐるのに気づいた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...笊(ざる)を片付けながら...
徳永直 「戦争雑記」
...小笊を首に下げては...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから笊(ざる)を楯にステッキを獲物にこの野良猫を相手に大格闘が始まるのである...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...私もよく笊(ざる)と籠を持って出た...
中島哀浪 「かき・みかん・かに」
...其(そ)の小(ちひ)さな泥(どろ)だらけの手(て)で捉(とら)へようとしては遁(に)げられつゝ漸(やうや)くのことで笊(ざる)へ入(い)れる...
長塚節 「土」
...小(ちひ)さな子供(こども)は笊(ざる)を手(て)にした儘(まゝ)目(め)には手(て)も當(あて)ずに聲(こゑ)を放(はな)つて泣(な)く...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は小言(こごと)は耳(みゝ)へも入(い)れないで「※(ねえ)よう見(み)ろよう」と小笊(こざる)を枉(ま)げてはちよこ/\と跳(は)ねるやうにして小刻(こきざ)みに足(あし)を動(うご)かしながらおつぎの譽(ほ)める詞(ことば)を促(うなが)して止(や)まない...
長塚節 「土」
...「鉄砲笊を担いで歩く屑屋にしちゃ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...店に並べてある笊や鍋や...
林芙美子 「蛙」
...鉄砲笊(ざる)の古いのがあったから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...無言で、笊をさしだした...
火野葦平 「花と龍」
...鴨居の目笊を眺めくらしていた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...これは笊じゃあ絶対にだめなんだ」岡田少年は黙り...
山本周五郎 「季節のない街」
...笊組の奴等もすッかり油断している頃合だ...
吉川英治 「剣難女難」
...笊の中にいっぱいあった白い繭(まゆ)を頭から浴びて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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