...空木は美しい花を咲かせる木の一つだ...
...白空木の実は鳥たちの大好物だ...
...山空木(やまうつぎ)が咲いているだけである...
芥川龍之介 「長江游記」
...大戸片里と露月庵に歓娯する事緑蔭にほの白く匂う空木(うつぎ)の花もすでに朽ち...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...三人の兵士が水壺の中へ毒空木(どくうつぎ)の汁を搾(しぼ)っているのを眼にとめた...
横光利一 「日輪」
...躑躅や、空木の間から、草の光りを滑るかのやうに、鶯の声が流れて来た...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...四邊の山林から樟腦を作る楠と紙を製(つく)るに用ふる糊の原料である空木(うつぎ)の木とを採伐することに着手した...
若山牧水 「姉妹」
...珍らしく紅空木の花が咲いて居るほかは何ひとつ花とて無く...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...ひそやかにもの云ひかくる啼声のくろつがの鳥を聞きて飽かなく草の穂にとまりて鳴くよ富士が嶺の裾野の原の夏の雲雀は夏草の野に咲く花はたゞひといろ紅空木の木のくれなゐの花寄り来りうすれて消ゆる真日中の雲たえまなし富士の山辺に追憶と眼前の風景私は日向の国尾鈴山の北側に当る峡谷に生れた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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