...――その外まだ薄穢い食物店が沢山ある...
芥川龍之介 「上海游記」
...一うす穢い兵隊服にズダ袋一つ背負つた恰好の佐太郎が...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...其の他の穢い虫も変態をすると...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...恰度干潮で薄穢い泡を満潮線へ残したまま海水の引いてしまった水際へ屈み込んで...
大阪圭吉 「死の快走船」
...それは穢い印象を随分と相殺(そうさい)しているのである...
高見順 「如何なる星の下に」
...僕見たいな薄穢い田舎書生なんぞ...
谷崎潤一郎 「戯曲体小説 真夏の夜の恋」
...よくも先(さっき)己達に穢い物を喰わせやがったな」こう云って信一と一緒にぺっ/\とやり出したが...
谷崎潤一郎 「少年」
...穢い!………止めなはれ!」「ええがな...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...穢いもんが彼処に一杯溜つてゝ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...それも下座敷の穢い室で...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...「始終身体が穢いと云っては気にしていますがね……...
豊島与志雄 「生あらば」
...穢い衣物を著た工女らしいのが四五人でせつせとボール箱を貼つて居る家であつた...
長塚節 「開業醫」
...穢い二階であつた...
長塚節 「開業醫」
...僕は穢い二階を見てぼんやりして居た...
長塚節 「開業醫」
...四五十匹もある毛虫を潰すのも穢い...
長塚節 「栗毛虫」
...さて隅から隅まで注意を怠らない爺さんは伸ばさうとする蔓の先をみんな穢い爪の先で摘んで棄てゝ畢ひました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...是れはツマリ胃の中を掃除して穢い物や何かを取去る爲である...
松本文三郎 「印度の聖人」
...私はまざまざと馴染(なじみ)ふかかったその町の穢い映画館で過したいくつかの夜のことを思い出した...
宮本百合子 「映画」
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