...穢い犬が二匹出て來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼の穢い女乞食が(どう)と許り倒れて居た...
石川啄木 「葬列」
...茶褐色の薄穢い泡の群が...
大阪圭吉 「死の快走船」
...頭は穢い衣(きもの)の破れでぐるぐると巻いていた...
田中貢太郎 「鍛冶の母」
...私はもともと穢い物で指を汚すのはいやでしたが...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「五通」
...穢い!………止めなはれ!」「えゝがな...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...下宿屋の薄い穢い布団にくるまって...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...「始終身体が穢いと云っては気にしていますがね……...
豊島与志雄 「生あらば」
...手先が穢いと云った...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...またひとりの奴が守袋と鈴を見つけて穢い手でいぢくりはじめた...
中勘助 「銀の匙」
...さうしたらやつぱり同じ級の古参の者で赤つ面の穢い子が「いいものやらう」となにか握つてきて人に手を出せといふ...
中勘助 「銀の匙」
...穢い服の胴一杯に血が凝結して居る...
長塚節 「開業醫」
...さあ廿錢銀貨だぜ此は」爺さんは銀貨を受取つて暫く目の近くへ持つて行つてへりをこすつて見たりして穢い財布を空に成つた籠から出してざら/\と錢を手の平へまけた...
長塚節 「教師」
...四五十匹もある毛虫を潰すのも穢い...
長塚節 「栗毛虫」
...さて隅から隅まで注意を怠らない爺さんは伸ばさうとする蔓の先をみんな穢い爪の先で摘んで棄てゝ畢ひました...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...大きな口が更に拡がって鉄漿をつけたような穢い歯がむき出して更に中症に罹った人のように頭を少し振りながら笑うのである...
長塚節 「太十と其犬」
...目の前には穢い衣物を着た女が其火を燃やして居るのを見た...
長塚節 「隣室の客」
...そこに描かれている穢いものまで...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第一巻)」
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