...穢い犬が二匹出て來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...常に我々の連中から穢い物か何ぞのやうに取扱はれてゐた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...穢い/\湯槽にどろ/\した厭なにほひの冷泉を沸かせるのであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...間もなく薄穢い二階建の葬具屋――十方舎へやって来ました...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...屋根裏の穢い所よ...
田中貢太郎 「青い紐」
...よくも先(さっき)己達に穢い物を喰わせやがったな」こう云って信一と一緒にぺっ/\とやり出したが...
谷崎潤一郎 「少年」
...穢い!………止めなはれ!」「えゝがな...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...懐から穢い手拭を出して傷所を結えた...
豊島与志雄 「群集」
...手先が穢いと云った...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...蒼脹れのした穢い素顔のままでいた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...「穢い……その一言でつきる...
豊島与志雄 「別れの辞」
...四五十匹もある毛虫を潰すのも穢い...
長塚節 「栗毛虫」
...太十は番小屋の穢い蚊帳へ裸でもぐった...
長塚節 「太十と其犬」
...余は穢い一室へ案内された...
長塚節 「旅の日記」
...穢い話だが嘔吐を催す...
南部修太郎 「疑惑」
...それらのことを、穢い、寒い板壁に向って感じた時も私の心に湧いた疑問は、藤村がしんから力を入れて、ねばっている動力は何なのであろうか...
宮本百合子 「鴎外・漱石・藤村など」
...穢い静かな高等室の内である...
宮本百合子 「刻々」
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