...みんなは、その稚気を、かなり大まかな心持ちで、笑話の種にしていました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...犯人にこれほど思い切った稚気があろうとは...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...稚気の誇りを感じているのであります...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...稚気乃至多少の衒気(げんき)を帯びた浅瀬の波の深い意味もない空躁(からさわ)ぎの一年であったとするも...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...青年らしい稚気を脱却したことが眼についた...
戸坂潤 「友情に関係あるエッセイ」
...いかにも稚気(ちき)を帯びた調子でかつ厭味(いやみ)らしく飾って書いてある...
永井荷風 「夏の町」
...稚気(ちき)溢(あふ)れたる両山の競争を見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰はばからず絶叫するの稚気を有している...
中里介山 「大菩薩峠」
...稚気満々たるお伽話(とぎばなし)の国の虎のように思えてならなかったのだ...
中島敦 「虎狩」
...「何だか面白そうじゃないか」と兄は柄(がら)にもない稚気(ちき)を言葉に現した...
夏目漱石 「行人」
...少し大人気(おとなげ)を欠いた稚気(ちき)さえ現われていた...
夏目漱石 「行人」
...そのあらゆる稚気と俗臭にかかわらず...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...一つの笑殺すべき稚気である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...むしろ愛すべき稚気(ちき)――と恕(ゆる)しているような寛度で...
吉川英治 「新書太閤記」
...稚気(ちき)というようなものは...
吉川英治 「新書太閤記」
...幼児の稚気を親が笑う時のように...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...どこかに稚気(ちき)と羞恥(はにか)みを持っていた...
吉川英治 「山浦清麿」
...それら総ての稚気も若さも実に愉しい...
淀野隆三 「思ひ出づるまゝに」
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