...――見る見る僕の目の下はのべつに桟橋へ飛び移る無数の支那人に埋(うず)まってしまった...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...火箭が飛ぶ、火が油に移る、嗚呼そのハツ/\と燃え初(そ)むる人生の烽火(のろし)の煙の香ひ! 英語が話せれば世界中何処へでも行くに不便はない...
石川啄木 「雲は天才である」
...八十助は焔が手足をいぶらせ焔が毛髪にメラメラ燃え移る場面を想像した...
海野十三 「火葬国風景」
...「大統領探偵小説」の感想が長くなったが、さて次に移る...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...河原へ下り危うき板橋を過ぎて対岸に移る...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...他の書留便に移る寸隙を見て...
高浜虚子 「丸の内」
...次ぎの発見に移る時分には大概前の真理を忘れて居た...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...さらに近代の美術にまで移るにあたって...
中井正一 「美学入門」
...現今の東京における華族の生活に移る間に...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...生から死に移るのは自然の順序であると云う真理に帰着する...
夏目漱石 「それから」
...時の移るとともに人の勝敗(しょうはい)を定める標準が追々(おいおい)違って来るかと思われる...
新渡戸稲造 「自警録」
...ほんとに相手は他へ移る的があるものかどうか」「さあ...
原民喜 「災厄の日」
...中央委員会がモスクワに移ると...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...和漢と移るに伴て色々移り異つた故...
南方熊楠 「再び毘沙門に就て」
...一つの状態から他の一つの状態に移るとき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...亀沢町の家に渋江氏の移るのと同時であった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...わたしは此処へ移るとすぐから...
山本周五郎 「日本婦道記」
...深夜の潜行へ移るには...
吉川英治 「私本太平記」
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