...何か一つ確かな手掛りを掴みさえすればなあ」判事は全才能を傾けて考えた...
江戸川乱歩 「心理試験」
...だがすでに在ることだけは確かな存在が...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...記憶が混雑して確かな事は言われないが...
寺田寅彦 「二十四年前」
...確かなのですよ、わたしがあの笹原でパッタリと蒼い面をした浅吉さんに行きあったことは...
中里介山 「大菩薩峠」
...體術の心得が確かなので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんな確かな生證人(いきしようにん)が出て來ては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んだらうがこれほど確かな證據を見せつけられて引つ込んでゐる寅松ではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これは釘付けよりも確かなわけだ」「ね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...氣の確かなうちに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しかし啄木鳥の奴が、このところ、だいぶタイプライタアの腕を上げたらしいことは、確かなやうです...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...確かなのは、おれがおそろしい腕白小僧だったことで、おれは家柄のよいのと、教師のまねを模範的にやるのと、種々様々な役者の身振りをするのと、それから一種大人びた言葉を使うのとで、同級生仲間に、尊敬と人望とを博することを心得ていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...低くしかし確かな拍子で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...いわば養子の一人だ、目下自由党に加盟して働いている真壁虎雄君から聞いて来たんだから、確かな話だ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...自分などよりももっと記憶の不確かな老人が語り伝えて来たことで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...(ホラティウス)確かな目的を持たない霊魂はさまよう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こんなにサッパリした確かな気持になっているのに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...予(かね)てバロンに意を寄せて居る夫人はバロンを口説(くど)いて「お前は確かな接吻をわたしから受取つたか」などと云ふ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...時には自分が夢を見ているのでも幻覚を見ているのでもないという不愉快な程に確かな感覚があり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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