...炎天に腐つた死骸の匂も存外悪くないと思つたりした...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...田舎の町をぶらぶら歩くのも悪くないですな」青空の下を真っすぐ伸びている一とすじ路の町通りは...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...目鼻立ちは悪くないが満面ににきびのある男...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...また清水村へ出かけてA家を訪問する、森の家を借りるために、――なか/\埓があかない、ブルヂヨアぶりも気にくはない、パンフレツトをだすのに不便でもある、――すつかり嫌になつて方々を探しまはる、九品寺に一室あつたけれど、とてもおちつけさうにない、それからまた方々を探しまはつて、もう諦めて歩いてゐると、春竹の植木畠の横丁で、貸二階の貼札を見つけた、間も悪くないし、貸主も悪くないので、さつそく移つてくることにきめた、といつて一文もない、緑平さんの厚情にあまえる外ない...
種田山頭火 「行乞記」
...木曾街道の印象は……」「悪くないね」道庵が仔細らしく杯(さかずき)を下へ置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...「これはちょっと悪くないネ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...やむを得ずんばヴァイオリンに編曲したシュメーの「春の歌」(ビクターVE一〇三七)とクライスラーの「五月の微風」(同JD二九四または八〇八三)を聴くのも悪くないだろう...
野村胡堂 「楽聖物語」
...「悪いの悪くないのって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ときどき訪ねている様子ですが――」「良い女かい」「悪くない年増ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...台助は、艶々(つやつや)とした、額から抜け上っている頭の禿(はげ)かたも、柔和な、品の悪くない、いかにも以前(もと)は大問屋の旦那であったというふうな、鷹揚(おうよう)さと、のんびりした耳朶(みみたぶ)とを持っている、どこか好色そうな老爺(としより)だった...
長谷川時雨 「市川九女八」
...悪くない...
久生十蘭 「だいこん」
...「まんざら悪くない」のプレスコ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...自分が何も悪くないことだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...偽モートンの顔つきは悪くない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...結末はそれほど悪くないぜ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...あなたは何も悪くないですもの」やがてラルフは生垣を通って...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...中川君は美男子だから妹子さんも悪くないでしょう」妻君「私はまだ会いませんけれども良人の話しでは容色(きりょう)も好(よ)いそうです...
村井弦斎 「食道楽」
...「静かないい家でございますね」「たべものもなかなか悪くない」田舎家を思わせるような古雅な行燈をあいだにして坐ると...
山本周五郎 「新潮記」
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