...又その中にはあでやかな女を一人...
芥川龍之介 「地獄變」
...あのあでやかな御姿は一生忘れようもございますまい...
芥川龍之介 「邪宗門」
...さすがにあでやかな光だけである...
芥川龍之介 「上海游記」
...端麗(あでやか)さも端麗(あでやか)に...
泉鏡花 「印度更紗」
...あでやかに笑いながら...
江戸川乱歩 「影男」
...艶麗(あでやか)は艶麗でいいし...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...異様な懐(なつか)しさとあでやかさを以て脳裡(のうり)に浮かんだ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今晩は――と例のあでやかな声が聞かれるだろうから...
田山花袋 「田舎教師」
...あでやかにつややかに活躍している...
寺田寅彦 「病院風景」
...そして最もあでやかな笑顔を彼に見せようとしてるユーディットに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...主権を握った秀子はあでやかな微笑みを洩らしていた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...」秀子は山田に向って残酷なほどあでやかな笑顔を見せた...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...御よそおいのととのうたあでやかさは...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...亡き祖父の叔母がよく話したことぢやが――ところで女にとつては、御承知のやうに、差しさはりがあつたら御免なされぢやが、他人(ひと)のことを美人だなどと言ふくらゐなら、いつそ悪魔と接吻でもする方がよつぽど安易(らく)なはずぢやが――その哥薩克娘(カザーチカ)のふくよかな頬が見るからに瑞々(みづみづ)しくて、あのこよなく美しい薔薇いろの罌粟(けし)が神授(めぐみ)の朝露で沐浴(ゆあみ)ををへて鮮やかに燃えながら、きちんと行儀よく枝葉をそろへて、今し昇つたばかりの日輪に向つて美装を誇つてゐる時のやうに、あでやかなら、またその眉は、ちやうど当節の娘たちが、あの、箱をかついで村々をつて来る大露西亜人(モスカーリ)から、十字架につけたり、頸飾にする古銭を通すために買ふ、あの黒紐のやうに匂やかに、あだかもその明眸をさし覗くやうに、なだらかに弧を描き、小夜鳴鳥(ナイチンゲール)の唄声をもらすために造られたかとも思はれるその可憐な口許は、それを見るたんびに当時の若者どもに思はず舌舐ずりをさせたもので、烏羽玉の黒髪は若亜麻(わかあさ)のやうにしなやかに、(その頃はまだ、この辺の娘たちのあひだには、派手な色あひの美しい細リボンを編(く)みこんだ幾つもの小さい編髪にするならはしがなかつたので)房々とした捲毛が、金絲で刺繍をした波蘭婦人服(クントゥーシュ)の上へ、ゆたかに垂れてゐたさうぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...しかし顔だけはあでやかにほほ笑んで見せていた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...一方からは千代のあでやかな白い顔が現れるのを見ると...
宮本百合子 「或る日」
...これも裾模様をあでやかに着飾ったおきえさんが正座に並んで坐った...
矢田津世子 「父」
...あでやかに嬌めいてみえた...
山本周五郎 「風流太平記」
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