...それを貴方はご存じないんだから――貴方のやうな法律家が! 貴方はきつと碌な法律家ぢやないんですね...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...碌な死にかたはしますまいよ――何度わたしに苦勞や心配をかけたか分らないんですもの...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...待合に足を踏み入れるような奴に碌な者がいるもんかネ」「コレお照さん...
海野十三 「深夜の市長」
...したがっていつまでも碌な発明も発見もできぬようならば...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...随つて何時までも碌な発明も発見も出来ぬ様ならば...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...碌な者ぢやないつて言つたでせう...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...なあに手前だつて碌な目にや逢はれねえから駄目でがさあ」爺さんは急に氣がついたやうに「有難うごぜえました」といつてのめり相な體へ天秤を擔いだ...
長塚節 「教師」
...その姉が私は教育を受けていないので碌な手紙は書けないからと云ったという話が出た...
中谷宇吉郎 「Schreibe wie du sprichst」
...夫が碌な着物一枚さえ拵(こしら)えてやらないのに...
夏目漱石 「道草」
...手間取ると碌な事は無い...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...物を問へば碌な返事した事なく...
樋口一葉 「たけくらべ」
...どうせ碌なことはないからと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...どうせ碌なことは教えてくれやしないから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「丘の向うからは碌なものが来るはずがない」という言いならわしがあった...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...「どうせ碌なことがある気遣ひはないさ...
牧野信一 「熱海線私語」
...たゞR氏の背後にむつくりと端坐したまゝ碌なお辞儀ひとつしないで...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...神様を相手に喧嘩を吹きかけるやうな人間はどうせ碌な最期を遂げる気づかひはありません...
牧野信一 「『ユリイカ』挿話」
...余り旨(うま)い物でないそうだからこの世界ではとかく辛労せねば碌な物が口に入らぬと知れる...
南方熊楠 「十二支考」
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