...批評家そのものを益することでも亦ないのであつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...実際家庭を益するような作物があるか否かは疑問である...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...その社会国家を益することは申すまでもありませぬ...
井上円了 「おばけの正体」
...直接に人生を益するほうのことは今日医術...
丘浅次郎 「誤解せられたる生物学」
...其の結果を利用して世を益する方法を工夫して貰ひたいものである...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...「英文学叢書」中の篠田錦策氏の註によって益するところが多かった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...われに益する云々てう句に填(は)め込んでいってみても...
太宰治 「もの思う葦」
...決して己れを損して他を益するがごときことをなさざるべきの理を知らざるべからず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...我邦新聞界に稗益する所...
戸坂潤 「読書法」
...利用厚生にまで人を益する働きは...
中里介山 「大菩薩峠」
...由来彼女の光茫はその輝きを益すばかりである...
中原中也 「デボルド―※[#濁点付き片仮名ワ、1-7-82]ルモオル」
...その死をもって文明を益することなきに至りてはまさしく同様のわけにて...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...世上一般の幸福をば損ずるのみにて少しも益するところあるべからず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...明教を垂れて万世を益することが出来なかったかも知れないのである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...文学の上より見ればその早世のために損益する所なきが如し...
正岡子規 「病牀譫語」
...陶弘景は兎肉を羹とせば人を益す...
南方熊楠 「十二支考」
...人々にその義務を守らせることになって少しでも世を益することになるならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さうして僕等の反省に非常に益するものだ...
吉川英治 「折々の記」
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