...カーツキル山脈にむかしから異様なものが出没することは...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...この異様な魚とり大会の光景を見下ろしている...
海野十三 「海底大陸」
...異様な曲線を描いていた...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...その刹那、非常に妙なことを云うようだけれど、私は女性に化して、そこに立っている、酔(よい)の為に上気はしていたけれど、それ故に一層魅力を加えた、この美貌の青年は、私の夫であるという、異様な観念が、私の頭をかすめて通過(とおりす)ぎたのである...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...異様な生温い風が闇の中から流れて来た...
大阪圭吉 「坑鬼」
...だが、するうち、異様なものが、――それはちょうど滅多に掃除(そうじ)しない部屋をたまに掃除したりすると、黴菌(ばいきん)みたいな形の、長い尻尾(しっぽ)を生やした黒い埃(ほこり)がフワフワとそこらに飛び立って驚くことがあるものだが、まるでそんなようなヘンなゴミみたいなものが、盛り場から休みなく立ち上る埃で曇っているように見える向うの空に飛んでいるのが眼にとまった...
高見順 「如何なる星の下に」
...異様な趣になった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...異様な響きが絶えず続いた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...官能的な異様な美しさをもった穹窿(アーチ)形の洞道だった……...
久生十蘭 「地底獣国」
...異様な鋭い軋(きし)り音をたてた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...僕はおぼえず異様な身ぶるいをした...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...実に異様な力を込めて云ひ放つた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...僕の目の前には異様な幻が雪のやうに踊つてゐるのだ...
牧野信一 「爪」
...これには多分の憂鬱味が勝つてゐるので更に異様な重苦しさと陰影に富んだ訳語を案出すべきが当然であらう...
牧野信一 「風流旅行」
...この異様な風態の上に裸の右の肩先に...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...一種異様な対照を作っているのであった...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...ふと、一陣の狂風に野をふりかえると、塵埃(じんあい)天日をおおい、異様な声が、地殻の底に鳴るような気がされた...
吉川英治 「三国志」
...「オオ……」異様な感情の昂(たか)ぶりに唇をふるわせた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??