...用心のために、もってきた懐中電灯がきみのわるいほら穴の中をてらして、とても力づよいのです...
海野十三 「電気鳩」
...用心のために懐中電灯を消してから...
江戸川乱歩 「大金塊」
...若いものが用心のために持ちたがるから黙認してるんですよ」「うん」とうなずいて正造は庭の方へ大声で「防衛のためなら致しかたないが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...用心のためにそれを使つたのでした...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...それでも用心のために...
豊島与志雄 「スミトラ物語」
...足許の用心のために特に提灯を用意したまでのことだ――とお雪も...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれはただ用心のために言っただけなんだから」「でも...
中里介山 「大菩薩峠」
...血が煮染(にじ)み出したという話を用心のためにして聴(き)かせた...
夏目漱石 「明暗」
...今後もどうか分かりませんから、また五十両でも百両でも、用心のために、お廻し願います...
蜷川新 「天皇」
...高さは六尺そこそこですが、崖の高さを併せると八尺余りで、その上、足場の良いところには、用心のために、忍び返しが打ってあるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女が夜中に街を歩いてはいけないでせうか」「え?」「用心のために男姿になつても御法に反くでせうか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その大檣(メインマスト)のほうには弟が用心のために体を結えていたのですが...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...その唾の飛沫を吸い込まぬ用心のために暫時...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...まあ、用心のために、身につけていて、決して損はねえだろうよ――おれの細工物の中に入れたまま、たえず、からだをはなさぬがいいぜ」「何にいたせ、すばらしい印籠に、かてて加えて、世界一の珍薬までいただいて、お礼の言葉もござりませぬ」と、雪之丞は、素直におしいただいて、すぐに腰につける...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...過度の用心のために己に拘禁せられてゐたことをも...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...断わられてしまわぬ用心のために...
柳田国男 「海上の道」
...それでも用心のために警笛を吹く度数を半分から三分の一に減らしてもらった...
夢野久作 「難船小僧」
...万一の用心のために...
夢野久作 「冗談に殺す」
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