...その狂熱的な弾奏者の顔のクローズアップに重映されて祖国の同志達の血潮に彩られた戦場の光景が夢幻のごとくスクリーンの面を往来する...
寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
...単にその技巧の上から見ても津田君の例えばある樹幹の描き方や水流の写法にはどことなくゴーホを想起させるような狂熱的な点がある...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...未知の鼻音の狂熱的な蒐集者であつた...
富永太郎 「断片」
...狂熱的な国士気質との混淆(こんこう)した精神――東洋からも次第にその影を消して行こうとするこういう型の...
中島敦 「斗南先生」
...寄席芸人の小説を専らに書いてゐる私はそのころから狂熱的な落語好きで...
正岡容 「大正東京錦絵」
...その閲歴から見て狂熱的な一向宗信者であったと推測せられるが...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
...狂熱的な僧侶の反動もただ大勢に一つの色彩を加えたに過ぎなかった...
和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
...仏教興隆で有名なカニシカ王の前に初めて北インドを征服した月氏(げっし)の王はインドに入ると共に狂熱的なシヴァ崇拝者となった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...あの狂熱的なおみき婆さんが三輪山に近いこの地から出たことは...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...その狂熱的な態度の故に傍観者は涙を催さしめられたという...
和辻哲郎 「鎖国」
...キリシタンとなった日本人の狂熱的な側面をのみ露出せしめることになったが...
和辻哲郎 「鎖国」
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