...物見高い子供や大人がよって来る...
上村松園 「余齢初旅」
...そこには物見高い群衆が十倍にも殖(ふ)えていた...
海野十三 「○○獣」
...恐ろしい復讐なんだ!」なにがさて、物見高い銀座の、しかも白昼の出来ごとだから、たちまち黒山のような人だかりとなった...
海野十三 「流線間諜」
...流石に物見高い市中のこととて...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...親譲りの物見高い癖から黄鶺鴒のしやれた姿が眼に入ると...
薄田泣菫 「独楽園」
...そして今にも物見高い世間がこんなことを知ったならば...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...それには無論どうなつてゐるかと云ふ物見高い心持も交つてゐて...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...曝し物は、官がわざわざ曝して、衆人の見るものに供するのだから、ただでさえ、物見高い江戸の、しかも、日本橋の辻に官設してあるのだから、見まいとしても、それを見ないで通ることを許されないようになっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...さらぬだに物見高い江戸ッ子は...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...さすがは物見高い江戸っ子...
野村胡堂 「礫心中」
...物見高い訪問者を避けるには恰好の地になっているが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...物見高い乗客達が寝間着のまま身を乗り出し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...鈴本亭の前に麗々と「池田亀太郎出演」の看板の掲げられるやいなや物見高い都雀はソレ行けヤレ行け早くも開場早々にして...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...かれらが平靜と物見高い氣持の顛倒をふだんの位置に立ち戻らせた時に...
室生犀星 「末野女」
...食事をしまって帰った時は、明方に薄曇のしていた空がすっかり晴れて、日光が色々に邪魔をする物のある秀麿の室(へや)を、物見高い心から、依怙地(えこじ)に覗こうとするように、窓帷(まどかけ)のへりや書棚のふちを彩って、卓(テエブル)の上に幅の広い、明るい帯をなして、インク壺(つぼ)を光らせたり、床に敷いてある絨氈(じゅうたん)の空想的な花模様に、刹那(せつな)の性命を与えたりしている...
森鴎外 「かのように」
...そして銃を構へた水兵等や、それから士官等や、物見高い乗客や、判事などの群を見渡した...
ジユウル・クラルテエ Jules Clarete 森林太郎訳 「猿」
...物見高い心持ばかりです...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...物見高い近所合壁(がっぺき)やまわりの見物は実に感心する...
吉川英治 「新書太閤記」
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