...物思うかれの身に月日は早くたった...
田山花袋 「田舎教師」
...そうして単に雪後の春月に対して物思う姿の余情を味わえば足りるであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...独物思うそゞろあるきの黄昏に...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...しみじみと物思う気持ちになる...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...物思う夕まぐれ襟(えり)に埋(うず)める頤(おとがい)といい...
永井荷風 「妾宅」
...梅雨晴の静な午後と秋の末の薄く曇った夕方ほど物思うによい時はあるまい……...
永井荷風 「花火」
...駒井は何か物思うことあるが如く...
中里介山 「大菩薩峠」
...物思うことの多い若き男女は...
中里介山 「大菩薩峠」
...物思う身となりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...物思う側の彼女をも...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...一人(ひとり)中に座って物思うげに煙草を吸っていたのが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...返って千々に物思う人ほど数の知れざる浜の真砂の上に立ち...
南方熊楠 「十二支考」
...げに物思う折の現(うつつ)はまた一場の夢なりかし...
三宅花圃 「藪の鶯」
...空は物思う種すら与えないほど...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...人の休息しまたは静かに物思う刻限を測って...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...淋しく物思う地上の一人子を哀れむように照らしております...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...独りで物思うことを好むように...
吉川英治 「宮本武蔵」
...物思う人「巫女(みこ)が死んでいる!」江の島の山の雑木林には...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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