...爰(ここ)を内ぢやと思ひやるか...
芥川龍之介 「案頭の書」
...爰(ここ)でくれぐれも銘記せねばならぬは...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...爰(こゝ)に又一段の壯觀をなせり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...爰(こゝ)に記(しる)すものは皆(みな)事實(じじつ)なりと...
泉鏡花 「怪談会 序」
...六 川越の農家の子――椿岳及び伊藤八兵衛爰(ここ)に川越(かわごえ)在の小ヶ谷村に内田という豪農があった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...持って生れた狷介と懶惰とズボラとは爰(ここ)でも永続(ながつづ)きがしないで...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...不思議にこの一本だけが残ってるから爰(ここ)に掲げて緑雨を偲(しの)ぶたねとしよう...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...これに就いて氏が文字重複、展轉相通、蓋有諸家増益、用廣異聞、釋言釋訓以下、亦猶是焉と言つてゐるのは確實であるが、郭註及び疏には此の重複を以て互訓であると考へ、例へば舒業順敍也、舒業順敍緒也といふのには、疏に互相訓也といひ、粤于爰曰也、爰粤于也といふのには、郭註に轉相訓としてあつて、すべて此類のには兩方から互に相訓じたものであると解釋したのは誤であらうと思ふ...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...王子(おうじ)は宇治(うじ)の柴舟(しばぶね)のしばし目を流すべき島山(しまやま)もなく護国寺(ごこくじ)は吉野(よしの)に似て一目(ひとめ)千本の雪の曙(あけぼの)思ひやらるゝにや爰(ここ)も流(ながれ)なくて口惜(くちお)し...
永井荷風 「日和下駄」
...「溜池(ためいけ)の屋舗(やしき)の下水落ちて愛宕(あたご)の下(した)より増上寺(ぞうじょうじ)の裏門を流れて爰(ここ)に落(おつ)る...
永井荷風 「日和下駄」
...史料の批評は爰に於て其終を告げたるなり...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...爰に一種の研究所を設けて...
福澤諭吉 「人生の樂事」
...しかし其様(そん)な事を爰(ここ)で言う必要もない...
二葉亭四迷 「平凡」
...「如何にして食ふ可き乎」「如何にして自己の虚栄心を満足すべき乎」の時代に当り、人情爰に亡び、趣味の道蕩焉として日に其光を失ふ...
正岡容 「大正東京錦絵」
...爰(ここ)は木曾第一の難処と聞えたる鳥井峠の麓で名物蕨餅(わらびもち)を売っておる処である...
正岡子規 「くだもの」
...文礼子(ぶんれいし)御用にて新城宿より爰元(こゝもと)通行...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...爰(ここ)に(二九)干戈(かんくわ)に及(およ)ぶ...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...爰(ここ)に隣からの火貰(ひもら)いという交際が結ばれ...
柳田国男 「木綿以前の事」
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