...恐ろしい大胆な悪事を赤児(あかご)同様の無邪気さで犯しうる質(たち)の男だと思った...
有島武郎 「或る女」
...自然のいいあらわしがたい無邪気さと恩恵――太陽...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...此の「鷹匠埴輪」の無邪気さと...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...彼は子供のような無邪気さで芝居に見とれていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...指輪に対する彼女の無邪気さは昨日(きのう)と毫(ごう)も変るところがなかった...
夏目漱石 「明暗」
...大して変らぬ無邪気さである...
野村胡堂 「胡堂百話」
...貞淑――そういう社会に育ったには似合わぬ無邪気さ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...女を最高に高く売りつけるために声を荒げてしまうやり手婆にあるような無邪気さを持っていたが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...無邪気さ加減を想像して...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...良子は無邪気さうに点頭いて薄ら笑ひを浮べてゐた...
牧野信一 「毒気」
...子供特有の無邪気さはあってもそれをよけい美くしくする麗わしい容貌がいるものである...
宮本百合子 「悲しめる心」
...こういう無邪気さは笑うけれど腹も立つわね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かれらは子供が背中を水底に向けて泳ぐような無邪気さと...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...我々は子供たちの足踏みや小児らしい遊びや無邪気さにはひどく感動しますが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...凡そ何事にでもそれほどな無邪気さを持っているので自然に細君がこの家の中心になって来ているのだ...
横光利一 「機械」
...千鶴子が少しの懼れも感じず云い出すその無邪気さは...
横光利一 「旅愁」
...ここでの高氏の無邪気さや他意なさも...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ城太さんのような無邪気さが幾らかあったからだろう)と思い...
吉川英治 「宮本武蔵」
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