...彼女の部屋は無一物であり、とてもシンプルだ...
...落ち葉の無一物の枯れ木が、寒々しい雰囲気を醸し出している...
...料理の基本は無一物から作り上げることだ...
...彼の部屋は本当に無一物で、何も飾っていない...
...あなたが今、手元に持っている一切の物は、全て無一物から作られている...
...私もとう/\無一物...
種田山頭火 「行乞記」
...無一物中無関心は体験として解つてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...庵中嚢中無一物、寒いこと寒いこと(床中で痛切に自分の無能無力を感じた、私には生活能力がない、そして生活意慾をもなくしつゝある私である)...
種田山頭火 「其中日記」
...無一物の弱り果てた者となって...
永井隆 「この子を残して」
...全くの無一物からこれまでに復興したんだ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...高僧智識が捨身無一物の信念を以て通るか...
中里介山 「大菩薩峠」
...石上を枕とする捨身無一物の出家が...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中原中也 「在りし日の歌」
...無一物の某(それがし)を入れて...
夏目漱石 「虞美人草」
...「本来の無一物から出直すとは」と自(みずか)ら自らの頭脳を疑うごとく問い返した...
夏目漱石 「虞美人草」
...笠森仙太郎はこうして全く無一物になったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...もう家もない無一物の怖(おそ)ろしさに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しかしあの頭の中は無一物である」とも解せられる...
穂積陳重 「法窓夜話」
...圓朝の家梅咲くや財布のうちも無一物――禅味のある一流の字で認められた山岡鉄舟先生の半折をお手本にして...
正岡容 「圓太郎馬車」
...一人息子を無一物に残して世を去った...
水上滝太郎 「九月一日」
...「その人も云ってただ、おら世の中に飽きはてた、人間どもの俗悪さにあいそが尽きた、おら名も要らねえし金も要らねえ、出世もしたかあねえ、こうやって名もねえ人間になって、無一物で、誰にも知れねえように巷(ちまた)を放浪して、そうしてどこかでおっ死(ち)ぬが望みだってよ」「それは殊勝なことを聞くものだ」「その人はそう云ってただよ」杢助は無関心に云った...
山本周五郎 「似而非物語」
...このままいけば五年と経たぬうちに無一物になってしまう...
山本周五郎 「藪落し」
...殆ど無一物と相成り居るやうの有樣に候...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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