...彼女の部屋は無一物であり、とてもシンプルだ...
...落ち葉の無一物の枯れ木が、寒々しい雰囲気を醸し出している...
...料理の基本は無一物から作り上げることだ...
...彼の部屋は本当に無一物で、何も飾っていない...
...あなたが今、手元に持っている一切の物は、全て無一物から作られている...
...見到室中無一物(みいたるしつちういちぶつなし)...
芥川龍之介 「骨董羹」
...)ことに平常無收入で無一物な田中翁が...
石川三四郎 「浪」
...おりからの秋天の如く無一物なのに驚いて...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...着物は薄く懐中は無一物で...
田中貢太郎 「黄金の枕」
...・水音もあたらしい橋ができてゐる・新国道まつすぐに春の風・うらゝかにして腹がへつてゐる・送電塔に風がある雲雀のうた・麦田風はれ/″\として藁塚や・裏口からたんぽゝにたんぽゝ・春風のお地蔵さんは無一物・あれが変電所でうらゝか・こんなに虫が死んでゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...折から庵中嚢中無一物なので...
種田山頭火 「其中日記」
...無一物底無尽蔵と澄ましてもゐられまいが...
種田山頭火 「松山日記」
...僕は無一物の放浪児ではあるが一面なかなかの幸運児でもあるのである...
辻潤 「ふもれすく」
...フョードル・パーヴロヴィッチはほとんど無一物で世間へ出て...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...無一物になろうかも知れん...
直木三十五 「南国太平記」
...亦全く無一物といふにもあらざる故...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...かたわらに「無一物処無霊蔵」の軸がかかっている...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...無一物になつたので...
牧野信一 「熱い風」
...彼は鏡にうつっている無一物のこの一室を...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...懐中殆んど無一物...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...われは無一物なれど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...再びもとの通りの無一物になってしまった...
夢野久作 「夫人探索」
...これが自分の嫁入の際の無一物だった貧しさをこぼし...
横光利一 「夜の靴」
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