...……風が冷く、山はこれから、湿っぽい...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
......
泉芳朗 「生地売り」
...この朝明けも緑いろの光の条(すじ)も湿っぽい空気も濡れた長靴を穿いた人々も...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...あとの句も続かぬように湿っぽい調子になっている...
近松秋江 「霜凍る宵」
...海辺の湿っぽい空気を透して...
徳田秋声 「あらくれ」
...ひっそり静まった夜の湿っぽい空気に伝わって来た...
徳田秋声 「爛」
...湿っぽい十二月の午後...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人通りもない湿っぽい路次のところから...
中里介山 「大菩薩峠」
...弁信は湿っぽい路次を辿(たど)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...手摺(てす)りにもたれながら向こう座敷の明るい電気燈やはでな笑い声を湿っぽい空気の中から遠くうかがってつまらない心持ちをつまらないなりに引きずるような態度で...
夏目漱石 「手紙」
...阿賀妻は湿っぽい地図をひろげて...
本庄陸男 「石狩川」
...行けども行けども湿っぽい土であった...
本庄陸男 「石狩川」
...やや湿っぽい山気...
宮本百合子 「高台寺」
...全体に人少なな湿っぽい空気の感ぜられる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今日限りに立って行く明石の浦との別れに湿っぽい歌を作りもしていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あるものは肌にべとべととまつわりつく湿っぽい夏の空気...
山川方夫 「ジャンの新盆」
...暗くて湿っぽい土間に長い飯台が二つ...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...湿っぽい風が吹きだしたから...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
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