...お前の立っているその木かげの湿っぽい空気を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私の身体の重みで踏みしめている湿っぽい落葉がギシギシと滅(め)り込む音すらが...
橘外男 「逗子物語」
...時おりその方角から湿っぽい風が吹いていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...今夜は妙に湿っぽい冷たい風が...
寺田寅彦 「嵐」
...ひっそり静まった夜の湿っぽい空気に伝わって来た...
徳田秋声 「爛」
...湿っぽい一張羅をぬいで...
豊島与志雄 「神棚」
...(そして彼女はやや湿っぽい手を彼に差し出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...湿っぽい十二月の午後...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼岸(ひがん)前に袷羽織(あわせばおり)を取出すほどの身は明日も明後日ももしこのような湿っぽい日がつづいたならきっと医者を呼ばなければなるまい...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...湿っぽい風が其所から吹いて来る...
夏目漱石 「それから」
...代助は湿っぽい縁側に立って...
夏目漱石 「それから」
...線香を立てては湿っぽい顔をして来るだけ」「…………」「一人の身体が動くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...香奠のしるしだ」平次は妙に湿っぽい心持になって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...湿っぽい線香の匂(にお)いまでが...
松本泰 「秘められたる挿話」
...湿っぽい密集した家屋から生ずる不純な空気...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...湿っぽい廊下――内部(なか)には浅間しい二ツの亡きがらが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...鬱陶しく壁の湿っぽいような日が続いたが...
宮本百合子 「木蔭の椽」
...全体に人少なな湿っぽい空気の感ぜられる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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