...今またそれを舐(な)める」温厚な老学者も...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...平素は温厚な男だが……...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...而も平素は温厚な好々爺である...
豊島与志雄 「条件反射」
...他の温厚な社員を選んでしまった...
豊島与志雄 「電車停留場」
...広い温厚な額、高い鼻、美しい長い口鬚、恥しそうな笑顔……ほかの兄弟――伯父さんたちと違ってる顔でした...
豊島与志雄 「幻の園」
...夫婦とも温厚な好人物でした...
豊島与志雄 「水甕」
...この方が乱れて――」と、温厚な段四郎は、微笑しながら飛んだ琴柱を拾いに立った...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...人の良い温厚な顔に困惑の色をうかべながら...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...日ごろ温厚な大庭春吉も...
火野葦平 「花と龍」
...温厚なアルメディ族が統治している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...会うと、温厚な、いかにも口数のすくない人で、一応フロイドと私との交際のことなど訊ねたのち、日本の文壇の近状など――と云って、私には雑誌で知っただけのものだが、それを書けるかときいた...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...西隣りの洋館に住んでゐる温厚な文学士が...
牧野信一 「蝉」
...温厚な笑声がクラリネットの調べをさえぎっていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...この温厚な若い雑誌記者の眉がぴりぴりふるえた...
室生犀星 「芥川の原稿」
...それを読みふけった私は温厚な保高徳蔵にああよく書いてくれたという...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...此(この)ロオド・ピサロオ君は有名な風景画家故ピサロオ氏の息子で温厚な青年画家である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...そして中府の荊州にもこの非難が聞えてきたので、温厚な玄徳も、「憎い腐(くさ)れ儒者ではある」と、直ちに、張飛(ちょうひ)と孫乾(そんけん)にいいつけ、耒陽県を巡視して、もし官の不法、怠慢(たいまん)のかどなど発見したら、きびしく実状を糺(ただ)して来いといった...
吉川英治 「三国志」
...あの温厚な御気性に……魔がさしたとでもいうものか……)彼にはまだどうしても...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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