...その温厚な大使も...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...温厚なる井沢判事は...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...平素は温厚な男だが……...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...人間が誰でも持つて居べき純朴温厚なる本来の感情さへ...
永井荷風 「海洋の旅」
...前者は線の細い、頭の冴えた、幾らか神經質ではあるが、靜かな、温厚な、優しみのある紳士型、後者は線の太い、鋭い恐ろしい凝視力を持つ、進撃的な、意志的な、力強い鬪士型、そこに想像される二人の氣質の相違は必然に文章の相違となつて現れてゐる...
南部修太郎 「氣質と文章」
...この方が乱れて――」と、温厚な段四郎は、微笑しながら飛んだ琴柱を拾いに立った...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...日が日だから温厚な万屋和助もさすがに迷惑そうな顔をしたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...人の良い温厚な顔に困惑の色をうかべながら...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...温厚な浜野博士は...
火野葦平 「花と龍」
...」と評されて温厚な義弟は大きな恥を掻いたさうである...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...それを読みふけった私は温厚な保高徳蔵にああよく書いてくれたという...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...婿さんの新吉さんは五ツちがいの今年二十八で申分のない温厚な銀行員...
矢田津世子 「神楽坂」
...「本当に温厚なおちついた方ですわ」姉の千賀は含羞(はにか)みながらこう云った...
山本周五郎 「思い違い物語」
...温厚なおちついた微笑がうかんだ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...此(この)ロオド・ピサロオ君は有名な風景画家故ピサロオ氏の息子で温厚な青年画家である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...何の同情もお持ちにならないとみえる」「…………」魯粛の温厚なる抗議には...
吉川英治 「三国志」
...そして中府の荊州にもこの非難が聞えてきたので、温厚な玄徳も、「憎い腐(くさ)れ儒者ではある」と、直ちに、張飛(ちょうひ)と孫乾(そんけん)にいいつけ、耒陽県を巡視して、もし官の不法、怠慢(たいまん)のかどなど発見したら、きびしく実状を糺(ただ)して来いといった...
吉川英治 「三国志」
...もってのほかだッ」温厚な又右衛門も...
吉川英治 「新書太閤記」
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