...井伏さんの渋くてこわくて...
太宰治 「『井伏鱒二選集』後記」
...渋くはなやかに汚れた帆も...
寺田寅彦 「異郷」
...渋くる足をのろのろと運んでいたが...
徳田秋声 「足迹」
...」銀子は渋くった...
徳田秋声 「縮図」
...渋くりながらも便所へも立つのであつたが...
徳田秋声 「チビの魂」
...どさりどさりと落ちるばかりで匂はよくても渋くはあるし...
中勘助 「銀の匙」
...総体に渋く黒ずんでいる中に...
夏目漱石 「永日小品」
...その時は確かに渋くはなかつた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...声が江戸前に渋く嗄(か)れて...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...」梵妻は現在口の中が渋くて堪らなそうに...
水上滝太郎 「果樹」
...渋くて渋くて喰べられないっていうのに...
水上滝太郎 「果樹」
...「どう? ちっとも渋くはないわねえ...
水上滝太郎 「果樹」
...そのぶちは胡麻塩というほど渋く落付いてもいず...
宮本百合子 「犬三態」
...その芋また梨はそれから以後硬くまた渋くなってしまって...
柳田國男 「日本の伝説」
...土を食い虫を食い口が渋くなったということを...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...こんどは調子が渋くなり...
山本周五郎 「雨あがる」
...枝ぶりの、尋常でつつましいのと、渋く、見飽きのしない葉の色とに、彼はひじょうな愛着を感じていた...
山本周五郎 「竹柏記」
...お粂としては銀杏(いちょう)返しか松葉くずしにでも渋く結うつもりでいたのが...
吉川英治 「江戸三国志」
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