...複雑な思いに渋い顔をしていた...
海野十三 「海底都市」
...むしろ優れた学者なのではないかと思わせるような渋い会話だったともいえる...
海野十三 「地球盗難」
...さつきもお前が行つて了つたら家がせいせいするだらうつて渋い顔をしていらつしやるんですよ...
鈴木三重吉 「桑の実」
...素朴な中に渋い調和があり...
高村光太郎 「智恵子抄」
...渋い緑と、渋い茶と、二つの間色が映り合って、黄色人種の肌がいかにもその所を得、今更のように人目を惹く...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...ちょうど人形の衣裳のように派手で渋いところのある色合いの...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...大きな炉、けばけばしい陶器、どうにか食へる夜食、渋い葡萄酒、少々ごはごははしてゐるがさつぱりした敷布のかゝつた馬鹿に大きな寝台――それで沢山だ...
ボードレール 富永太郎訳 「計画」
...縫紋の渋い色の羽織を着ていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...「親分さん――始めてお目にかかります、私は――」お店者(たなもの)風の四十男、渋い好みですが、手堅いうちにも贅(ぜい)があって、後金の緩んだ雪駄を履く人柄とは見えません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それじゃ遠慮なくいただきますよ」平次は渋い茶を呑んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...燻(いぶ)したような渋い感じで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「渋いや」といって...
久生十蘭 「キャラコさん」
...一寸渋い顔を示して...
牧野信一 「円卓子での話」
...世の中と云ふものは渋い色彩の表現を持つものなら容易に名人たることを分つてやり...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...久三郎は渋い顔をした...
山本周五郎 「花も刀も」
...(但し恐ろしいほど渋い顔で睨(にら)んだが)その場でつなから来た報告のことを語った...
山本周五郎 「風流太平記」
...江戸へでも訴えて出ようかと思ったりしただ」「どうしてそうしなかったのだ」「訴える先を考えただよ」老人は渋い笑い顔をみせた...
山本周五郎 「風流太平記」
...という仰せだ」そこで主馬は渋い顔をした...
山本周五郎 「山彦乙女」
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