...四十一と、突立(つッた)ったまま、苦(にが)い顔、渋い顔、切ない顔、甘い顔、酔って呆(ぼ)けた青い顔をしていた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...俺は丸万からさぞかし渋い顔を見せられることだろうと思ったのに...
高見順 「いやな感じ」
...鳥羽は浅黒い顔に心持薄い唇をいつも引きしめて大抵の場合渋い苦り切つた表情をしてゐたが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...」叔父は渋い顔をして...
徳田秋声 「足迹」
...縫紋の渋い色の羽織を着ていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...やがて渋いところでまんどころのお茶を一ぷくいただき...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに最もブラームス的な渋い弦楽四重奏曲...
野村胡堂 「楽聖物語」
...それじゃ遠慮なくいただきますよ」平次は渋い茶を呑んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小さな体に目立(めだた)ない渋いつくりでつつましく...
長谷川時雨 「江木欣々女史」
...なかなか渋い声で...
火野葦平 「糞尿譚」
...前を行く子爵のすらりとした羽織の渋いけし繍(ぬ)いの紋位迄の高さしかなかった...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...「お待ち遠さま」「何だ! それっくらいなら一緒に来りゃいいのに」大平が渋いように笑った...
「一本の花」
...人に頼んで買ってもらったのですが渋いでしょう...
村井弦斎 「食道楽」
...父は渋い顔をしたそうである...
山本周五郎 「はたし状」
...「それに爺婆さし向いの山家ぐらしも退屈なものだからな」「お孫さま代りでございますか」喜右衛門はわざとのように渋い顔をした...
山本周五郎 「初蕾」
...どうしてそんなことをなすったのですか」「理由は二つあります」青岳の渋い顔が少しゆるんだ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...」渋い鉱石の中に生えているかと見える幹と幹との間に瓦斯灯の光りが淡く流れ...
横光利一 「旅愁」
...渋い林檎(りんご)がみんなちぎられ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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